JIDnews 277

JIDnews は、公益社団法人 日本インテリアデザイナー協会が発行する機関誌です。


熊本例会報告書

南日本エリア 江島太士

 10月28日にエリア恒例の例会を震災の地、熊本で行いました。
昨年の4月14日からの熊本地震に、耐えた熊本城の宇土(うと)櫓(やぐら)(写真)。
加藤清正が残した古い石積が、何もなかったように空堀の緑草の上に建ち、雨のなか我々を迎えてくれました。後方の小天守、大天守は地震の改修工事中でほとんど見ることは出来ませんでした。


 熊本地震では震度7が2回、6強2回、6弱3回と大きな揺れから、数えきれない位い多くの長期余震にほとんどの住宅が全壊した地区もあます。
今回は途中まで行きましたが、時間もなくほんの一部を見るに終わりました。

 今回の例会ではJID60周年事業に、南日本エリアではこの熊本大型地震を学んではと考えて例会会場としました。近年は地震、津波、火山噴火、風水害などの自然災害が国内外とも増えているように思えます。自然は沢山の恵みをくれます。しかしその台地は絶え間なく動き活動を続け、そのひずみの跡はいくつも各地に残されています。数年たつと忘れられて、何もなかったかのように、また時が流れます。




    石垣の小石が集積されている。
 

石垣の石にはすべて記号を入れて整然と並べられている。

 熊本地震現場を見て、これからも間違いなく起こり続ける自然災害についての最低限の知識と、これから私たちJIDにできることが何かあるとしたらどんなことか、それが本当に必要なものなのか、などなど私たちが、ついつい忘れがちで最も大切で身近に「共存する生きた大地」をもっと知ることが大事だなあと改めて思い、石ころを眺めました。


雨の中、熊本城の案内をしてくれるボランティアの方の説明を聞く。

現在では南日本エリアの会員数も16名と少なくなり、距離も遠く、集まりが大変です。この例会も当日には4名となりましたが、熊本の雨にもしっかり濡れて、少しは自然と向き合うことができたように思います。

 この後、城彩苑にてティータイム・ミーティング、つぎの被災地を案内所で確認。
天候が悪く車内より見て回り、16:30分終了で現地解散致しました。
とても広域であり、来年までには少し資料を集めて見やすく、企画したいと思っております。