JIDnews 283

JIDnews は、公益社団法人 日本インテリアデザイナー協会が発行する機関誌です。


WIW2019デザインセミナーin福岡

 

南日本エリア国際交流委員長 関光 卓

 今年5月末のWIW2019は、4エリア統一のデザインセミナーが企画されました。
南日本エリアでは、(公社)インテリア産業協会九州支部と共催、また福岡インテリアコーディネーター協会及び大分県インテリアコーディネーター協会の後援により、5月28日に九州産業大学に於いて「WIWデザインセミナーin福岡」を開催いたしました。

 セミナーは2部構成で行いました。1部はフィンランドから来日頂いたタウノ・タルナ氏に「カイ・フランクの魅力を語る」の講演をいただきました。
2部は、九州産業大学の小泉教授がモデレーターとして、座談会形式によるデザイントークセッションを行ないました。

 1部の講演では、カイ・フランクの生涯や理念と生み出された様々なデザインが密接に繋がっており、身近に居られたタウノ・タルナ氏だからこそ知り得た内容で、大変貴重なお話を聞くことが出来ました。
カイ・フランクのような巨匠のデザインプロセスと現代のデザインプロセスとを照らし合わせる事で、大切な部分が再認識出来た様な気がします。

 2部の座談会では、欧米と日本に於ける工芸の考察、欧米と日本のデザインプロセスの相違など、フィンランドで長年デザイナーとしてご活躍のタウノ・タルナ氏に日本デザインの現状をぶつけながら、現状の把握とこれからの日本デザインに大切なファクターを考察出来た有意義なセッションとなりました。

 特に一昔前であっても、カイ・フランクはイッタラ社で新製品発表の際には、メディアやリテーラーなどに、製品のデザインストーリーや製造工程などを一社、一社にしっかりと説明を行い、新製品発表会では工場に招いてプレゼンをしたケースもあったとの事。そしてタウノ・タルナ氏においても同様に、商品デザインだけでは上手く行かないとお話しをされた事に、改めて過去も現在も製品を陳列するだけではなく、消費者に製品ストーリーを伝え、モノ売りではなく、コト売りが重要と再認識出来た貴重な時間でした。