JIDnews 283

JIDnews は、公益社団法人 日本インテリアデザイナー協会が発行する機関誌です。



IFI@SALONE 2019(Milano)

 

国際委員会
西日本エリア担当理事 酒井コウジ

 国際委員会では、丹羽理事長を中心に国際デザイン団体(IFI、APSDA等)とのデザイン連携、親交を深める為に積極的に行っています。 その一部をご紹介致します。

 4月13日ミラノサローネで盛り上がるミラノに於いて、IFIの主催によるパネルディスカッションが行われました。
今年2回目となるこのイベントに、丹羽理事長が招待されミラノに滞在中のJIDメンバーも参加いたしました。
建築模型や蔵書がたくさん展示されている素敵な会場には溢れんばかりの関係者が集まって盛大に行われました。

 イタリアのSEBASTIANO RANERI氏(IFI@SALONE Chairman)の司会・進行により、6名の代表者によるパネルディスカッションでは、WID 2019のテーマ「Designing Spaces,Changing Lives(暮らしを変えるデザイン)」について、様々な意見が交わされました。

1人目 建築家OSMAN DEMIRBAS氏(トルコ)
若者、生徒達を”train(訓練)”するのではなくて、”curious(探求)”させることが大切。
現実として機会は平等には与えられていない。
“education(教育)は生徒が”create(創造する)”ことの手助け、きっかけであるべきだ。

2人目 JENNIFER MPYISI氏(ウガンダ)
“移り住む”ということはすばらしい。
自国と異なる様々な国の美、歴史を知ることができる。
自身もタンザニアからウガンダに移って体感した。
“connected(つながる)”ことが重要。

3人目 JOICE LOPPERT LEAL氏(ブラジル)
ブラジルにも素晴らしいデザインがあるが、本当のブラジルはまだあまり知られていないだろう。
ブラジルでは自然と共存することを大切にしています。

4人目 FRANCESCO SCULLICA(ミラノ・ミラノ工科大学(ポリテクニコ)准教授)
他者の見解、デザインに触れるきっかけが大切。
“Focus on people’s need (人々のニーズに応える)”ことが大切。
ただの建築ではなくて”consideration(じっくり考えること)”
ポリテクニコではデザインのワークショップを生徒と共に取り組んでいる。

5人目 Osvaldo Mara氏(ウルグアイ)
自分自身は正直なところ富裕層に着目してきた。
自分は実際に一晩で人生を変えた経験がある。
家、部屋のレイアウト図を見せるだけでなく一日の始まりから寝るまでのシミュレーションをさせたのだ。


6人目 CESARE CASATI氏(イタリア)
建築・デザイン専門のマガジンl'Arca Internationalでは、デザインと家具についてミリオンリサーチをしてきた。
小さい会社を大きな会社にすること、雑誌を通して海外へ広げることもできた。
“Young people to be brave(若者が勇敢になる※チャレンジする?)”ことが大切。

7人目
会場の創設者Luca Scacchettiさんの妻CINZIA ANGUISSOLA SCACCHETTI(※現オーナー)氏よりは、考えから形に変換していくには、詩的な態度を養って、研究することが必要です。

今回のパネルディスカッションでは、
what is important, researched (何が大切、何が研究されているか)にフォーカスすること。
new styleが必ずしもいいわけではない。
プロデューサー、デザイナーは環境問題の一旦を担うべきだ。
“安全、健康で、楽しい”であるべきだ、人々のために、幸福のためにデザインしていることを忘れてはいけない。などの意見が交わされました。
社会問題を考え、デザインしていくことが、これからのデザイナーにとっては、
大切であり、その活動の方向性が議論から見えてきたパネルディスカッションでした。

イベントの最後には、I'Arca International(CESARE CASATI氏)とIFI (President STEVE LEUNG氏)により、IFI and I’Arca Official Signing Ceremonyが行われました。
I'Arca Internationalは、Media Partnership、IFIと連携を深めて行くとのこと。今後、IFIの活動がメディアで紹介される場面がさらに増えそうです。
*I’Arca International
イタリア発の建築・デザイン専門のマガジン。International版。
世界の注目建築物を写真や図面を豊富に使い紹介している。トレンドを追いかけるばかりではなく、建築・デザインの真価を問いかけようとするマガジン。
 また、ビジュアル・コミュニケーションとしてデザインやアートなども取り入れている。



IFI@SALONEフライヤー


IFI@SALONE報告書-1

IFI@SALONE報告書-2

IFI@SALONE報告書-3

IFI@SALONE報告書-4

 

IFI@SALONE報告書-5

 

会場となったStudio di Architettura
Scacchetti Associat Officesの外観

Studio di Architettura Scacchetti Associat Offices蔵書や模型が並ぶ事務所空間

シンポジウムの様子

IFI理事長 STEVE LEUNG氏と丹羽理事長との情報交換の様子

IFI PRESIDENT-ELECT TITI OGUFERE氏との記念撮影

IFI理事長 STEVE LEUNG氏と丹羽理事長とJIDメンバー