JID AWARD 2019 FORUM in Tokyo 報告
北・東日本エリア長 池田和修
2020年1月10日(金)16:30~18:00、新宿・東京オペラシティタワー54階「オペラシティ東天紅」に於いて、「JID AWARD 2019 FORUM in TOKYO」を行いました。 講演者は、THE TRIANGLE.JP代表の呉 勝人氏。聞き手は、池田和修が勤めました。
「JID AWARD 2019」は、2019年3月から5月の間、公式ウェブサイトで公募を行い、応募条件をクリアした180点の中から第一次第二次の審査を実施、現地審査や現物審査などの第三次審査を経てゲスト審査員の参加を得た最終審査で大賞1点、インテリアスペース部門賞3点・入選5点、インテリアプロダクト部門賞3点、NEXTAGE部門賞10点を選出しました。
大賞には、THE TRIANGLE.JP 呉 勝人氏、太田昌司 氏による、「Snail Games Japan,Inc.Office」が受賞されました。
今回のフォーラムでは、大賞を受賞されたTHE TRIANGLE.JP 代表の呉 勝人 氏をお迎えてして、作品の紹介とトークセッションを行いました。
大賞受賞作品:ゲームコンテンツ会社「Snail Games Japan」のオフィスデザインは、CIカラーのオレンジを使った、刺激的なエントランス通路から期待感を抱きながら進むと内部は六面体のポリゴンが、一筆書きで空間の中を自由に進んでいくローポリゴンゲームの様なオフィス空間となっている。ポリゴンがベンチやテーブルになり、あるいは扉になっていく。会議室を始めとするそれぞれのエリアの区切り方も、ポリゴンで「くぐる」ことや、目線の位置だけを「遮る」、通さないために腰の位置で「阻む」など、コンセプトエレメントが、装飾ではなく機能として全体の空間を構成している。と、多くのスライド写真とともに、聴きました。
大賞受賞作品の他、TONERICO:INC.在籍中の作品や、THE TRIANGLE.JP設立後の作品の紹介もあり、上海や北京、海外での作品を含め、その素晴らしい活躍を知ることができました。
トークでは、クライアントにプレゼンして承認を得たデザインを、再考し自分の納得いく様に、再度プレゼンを行なったことで、再びクライアントを説得するのに大変苦労したとのこと、技術的に形を具現化するのに苦労したことなど、興味あるエピソードを交えて話しがすすみます。
これからのインテリアデザインについても、床・壁・天井に囲まれたインテリアだけでなく、空間・時間・物体的なものだけでなく、精神的なことまで、インテリアデザインの領域が大きく変わっていくことでしょう。と続きます。
呉氏のモットーである「一座建立」。これは、茶の湯において、一服のお茶のために客人へさまざまな趣向、工夫を凝らして茶室を「しつらえ」、道具を組み合わせ心を尽くした手前で「もてなし」、常に客人のことを考えて「ふるまう」。客人はその主の意図や趣向を楽しみながら一つの時間・空間が一体となり、亭主と客人が心を通い合わせるということです。
この日本の「もてなし」「しつらい」「ふるまい」の美学を咀嚼し、クライアントや企業、その先にいるエンドユーザのことを考え、可視できるあらゆるものを丁寧にデザインして、日本の美意識を追求・提案していきたいと考えています。と熱く語ってくれました。
登壇者プロフィール 呉 勝人氏 Mr. Masato Kure 1985中華人民共和国江蘇省生まれ1996日本へ移住 2008多摩美術大学環境デザイン学科卒業 2009-TONERICO:INC.入社 2014-TONERICO:INC チーフデザイナー就任 銀座蔦屋書店、LOFTなど物販店多数担当 2017-THE TRIANGLE.JPを設立 同代表 作品写真撮影 長谷川健太 氏 |