令和3 年 新年ご挨拶
理事長 丹羽浩之
みなさま あけましておめでとうございます。
昨年の令和2年は、「オリンピック・パラリンピック大会」が56 年振りに東京で開催される予定でしたが、昨年初頭よりの新型コロナウイルス感染症の流行により延期となり、日常の経済活動にも大きな影を落としています。
日本は前回の東京オリンピックの時代からは、高度経済成長期を経てバブル期、その後続く低成長の時代へと、少子高齢化社会の中「成熟期」を迎えています。しかし、観光産業というコンテンツに注力し、インバウンド需要などによる活況を見出し、再度、世界的なイベントへ向けての右肩上がりの消費、成長を期待されていました。
この急激なパンデミックを経験した社会・世界は、今までの生活スタイルを根本から変える事となります。
多くを消費し、グローバル経済の中で物やお金が多く循環し廻っていた社会から、医療・物流がエッセンシャルワーカーとして、重要度が再認識されたように「衣・食・住」に対しても、これまで以上に「質」を求める「感度の高い社会」へと変化し、「暮らし」「人々の生活活動」において、「空間・モノのストーリーが見える」「クオリティ」「心地よさ」「安心する」「愛着」「本質」などのキーワードが大切となり、そんな「質」の高い空間やプロダクトの重要度が高まり、「インテリアデザイン」は人の暮らしにとって、今まで以上に重要な位置づけとして再考する機会となります。
私たちは、この新しい世界の中で引き続き起こる日本の人口減少の加速、高齢化、働く環境の変化、テクノロジーの進化など、目まぐるしい変化のスピードはより加速されていきます。しかしながら、住環境は人々の生活の根幹である部分であり、周辺環境やテクノロジーの変化が起きたとしてもそれらの人を包む環境の必要性は変わりがありません。むしろより多用途な必要性が生じていると考えています。
右肩上がりの経済成長は続かず、様々な社会状況の変容により、成熟した日本のインテリア業界において、本当のインテリアの質に対しての見直しが出来たかも知れません。
様々な課題もある私たちインテリア産業の業界ではありますが、人の営みの根幹を担う産業として、この災禍が一日も早く終息を迎え、開催予定だった東京オリンピックが本年無事に開催され、進化した世界の中での新たな日常を取り戻していけますように、本年2021年は会員みなさまと手を取り協力をし、「新しい繋がり」を大切にしながら共により一層の努力をしていきたいと考えます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。