デザインカンファレンス オンライン・デザイン・シンポジウム
「デザイン新常態3rd」
ニューノーマル時代の暮らしとデザイン
第3回:歴史から学ぶデザイン手法とこれからのクリエィティビティ
八十常充
世界に拡大し続けるCOVID-19の影響は、社会や生活を大きく変えました。
このような状況の中、私たちデザイナーはどの様に向き合いデザインを提案すればいいのか?
西日本エリアでは、オンラインによるデザインシンポジウム「デザイン新常態」をテーマに
・第1回:ステイホームから見えてきた暮らしとデザイン
9/19(土)17:00~18:30
・第2回:USD-Oメンバーが語るこれからのデザインについて
10/10(土)10:30~12:00
・第3回:歴史から学ぶデザイン手法とこれからのクリエイティビティ
10/10(土)12:10~13:40
・関西デザイン学生シンポジウム&作品展「持続可能なデザイン」
10/10(土)14:00~17:00
を行いました。
以下は10月10日(土)12:10~13:40に大阪南港IHPC(ATC輸入住宅促進センター)を会場に行いました、「第3回:歴史から学ぶデザイン手法とこれからのクリエイティビティ」をご報告致します。
参加者:会場、視聴者約200名
〇 Program 1 「20世紀を振り返ることで見えてくるデザイン」 小宮容一
20世紀のデザインは、ポストモダンからモダンへそして再びポストモダンへ、イタリアでのメンフィス(1981)は合理主義や機能主義に対して新時代を提案するかの様に出現。
この頃は、ラインによる生産の進化が発達し、大量生産、大量消費により、人々の生活を豊かにした。
しかしながら地球資源を大量に使用することとなり、地球環境の悪化につながる。
21世紀は中量中品種から少量少品種へ、さらにクラフト、手づくりやオーダーメイドやカスタマイズで自己実現欲求、安全の確保、社会的欲求と個人や社会性を重視したデザインへと移行する。
〇 Program 2 「landscaping/ポスト人新世のデザインと暮らし」 安多茂一
デザイナーの役割とは今やモノを便利なモノや美しいモノを作り出すだけではなく、社会問題を解決するシステムや仕掛けを作り出すことが求められる時代です。
その中で今回のセミナーでは環境問題に焦点をあて世界のクリエーターの新しい発想と事例を紹介しました。
環境に負担をかけない有機的な素材を使用するというだけではなく、そのデザインプロセス自体が自然の摂理に委ねられるという発想、“人間がコントロールするデザイン”から“自然から授かるデザイン”へと時代は移行していくように感じられます。
そのような動向の中、目立たないデザイン、思い道りにならないデザイン、イノベーションしないイノベーション、手間ひまを掛けさせるデザインなど、今迄の発想とは全く違うデザインアプローチをお話させていただきました。
コロナ記念碑 | 菌糸で育つ建築 |
有機マテリアル | プラスティックオーシャン問題 |
戦後の物資不足に人々は生活のためにものを求めた時代から、豊かな時代には人との違いを求めて生活はものが溢れる様になる。その結果は地球資源の枯渇や環境問題が重要な課題となる。
これからの時代、コロナ禍も大きく影響し人々の意識や社会システムが大きく変化する中でのタイムリーで有意義なシンポジウムでした。