JIDnews 288

JIDnews は、公益社団法人 日本インテリアデザイナー協会が発行する機関誌です。




デザインカンファレンス オンライン・デザイン・シンポジウム
「デザイン新常態1st」
ニューノーマル時代の暮らしとデザイン
第1回:ステイホームから見えてきた暮らしとデザイン

 

西日本エリア長 井ノ阪智恵

 COVID-19の影響で暮らしが大きく変わろうとしています。
今まで当たり前の日常や社会の変化に私たちクリエ-ターはどの様に向き合えばいいかについて、9月19日(土)17:00~18:30 オンライン・デザイン・シンポジウム「デザイン新常態」ニューノーマル時代の暮らしとデザインを行いました。 参加者:会場、視聴者を含めて約200名
 統一タイトルは、ステイホームから見えてきた暮らしとデザインとして、JID会員4氏からそれぞれ独自の視点で語っていただきました。


○ ステイホームから見えてきた自然と寄り添うインテリア

西日本エリア理事 安藤眞代

 仕事も、それ以外の時間も自宅で過ごすことが多くなったウィズコロナ時代。グリーンインテリアをより身近に取り入れ、暮らしをもっと気持ちよく、上手く暮らすためのワンポイントレッスン。
 今年1月のパリ・メゾンのトレンドでも、ナチュラルが多くの紹介されていました。
 今のコロナの時代、植物をより身近に取り入れ、植物と暮らすことで、グリーンからパワーをもらい楽しみながら、日々の生活、インテリア空間をより快適に暮らすこと〜
それが本来の人間の姿ということを、今回気づかされたかもしれません。


左:南アメリカからの影響を受けた、自然色カラーナチュラル
右:メゾントレンド、ベジタルセンビオアス(植物共生)


〇手軽に気分を変えるインテリア術

監事 小宮容一

 ステイホームでの問題は種々のストレスです。その解消は規則正しい生活を計画すること、時に変化も付けてです。
 インテリアがもので溢れているのもストレスです。
全て片付けて床座生活をしてみてはどうでしょう。座卓をDIYで、子供の分も作って、ワーク、勉強、食事など多様に使ってみれば、グッと気分が変わります。
 その他の提案で、テレワークのブースに合板を立てつけてDIYで作る。また、ロングカウンターを壁際にセットして家族で使えば、生活の気分も習慣も変わります。



〇 With COVID-19時代のインテリアの流儀

西日本エリア長  井ノ阪智恵

 長く住宅デベロッパーの仕事をしている中で、住宅の間取りやインテリアテイスト、暮らし方の提案をして来ましたが、ニューノーマルの時代になり、わずかな期間で求められるものがどの様に変化したか、またこれからどの様な提案が必要か。
 ステイホームで求められる心の癒し空間など、アンケートを取って見えてきたものもありましたので、その様な小さな変化や私の感じたことなどをお話しさせていただきました。
 安心に、そして安全に暮らす空間が如何に大切か。今回のシンポジウムで改めて原点に戻って考えてみる良いきっかけとなりました。



〇 日常に見つける新しいラグジュアリー

西日本エリア国際委員  安多茂一

 コロナ禍の中、“人間中心的なライフスタイルの考え方”から“自然と共鳴するライフスタイル”という考え方にシフトすることで、モノで溢れる豊かさから解放され新しい時代をつくり上げるデザイン。
 ポスト人新生、新しいサスティナブル考に基づいた新しい“贅沢”の捉え方を提言しました。

 脱人間中心 自然の摂理をシェアするデザイン
自然に任せるデザイン


* モデレーター  国際委員会担当理事  酒井浩司

 4人のスピーカーにコロナ禍でのクリエイティブな状況をお聞きしました。
発言者のコメントは良かったとの声も頂きほっとしています。
私たちの暮らし、そして建築やインテリアも大きな転換期を迎えています。
これからの時代はどうやってデザインしていくのか、仕事の仕方も含めて問われると思います。
 見えないものに対応し、起こりうるであろうことを想定し、その考えを示すこと、そして実践し、伝え、豊かな暮らしへと導くことが、クリエイターに課せられたミッションかもしれません。
様々なテーマを取り上げ、議論を重ねていきたいと思います。

 始めに1人12分間、画像を映しながらテーマに沿った話を行いました。
 4人のスピーカーの発言が終わった後に、モデレーターとのインタビュー形式で進行。

 ニューノーマルの時代、これからの暮らしとインテリアデザインの志向について、それぞれがステイホームで経験したこと、仕事を通じて感じた変化など・・・世界に発信するデザインのこれからについて話しました。

 また物質的な事だけではなく、ステイホームの中で目に見えない小さなストレスや心の変化をどの様にして対峙し、未来と共存していくのか。
JIDとしても、より深く考えて発信していく事が出来ればと感じました。