岩倉榮利さん追悼
川上玲子
岩倉さんがお亡くなりになってお別れ会も終わった今でも実感がわきません。
今年の春、TDCの桜の宴でお会いした時は「ICSの校長を引き受けたので頑張らなければ」といつもと変わらない調子で語っていらしたので安心していました。
私と岩倉さんの初対面がいつだったのか記憶にありませんが、JID以外のお仕事も含めて長いお付き合いでした。丁度この追悼文を頼まれた時はスウェーデンに立つ寸前で飛行機の中で書いてください〜と言われて引き受けましたが書けませんでした。思い出が多すぎて書き始めると元気な頃の岩倉さんの姿が目に浮かび筆が進みません。スウェーデンに着いてからも親友宅に食事に行くとそこには岩倉さんの椅子が置いてあり、何も知らない彼らに伝えると一同驚きと共に一緒に展覧会を企画して岩倉さんの椅子を初めて北欧に紹介した頃の話が続きました。その他の仕事でもストックホルムには度々ご一緒していましたので私の友人たちともデザイン論を熱く語っていた姿が思い出されます。
しかしながら思い出の大半はやはりJID50周年事業です。私が理事長を引き受けた直後に癌の手術、退院後すぐに岩倉さんの展覧会のオープニングに行き、副理事長のお願いをしました。50周年事業を成功させるためには岩倉さんのノウハウを最大限に生かして頂くことが必須と考えたからです。嬉しかったことに即答で一緒に頑張りましょうと言ってくれました。その甲斐あって50周年事業スタートと同時に大手企業の大きな協賛金を取り付けて頂いたことでその後の活動が活気づいたのは言うまでもありません。
彼の中ではまだまだやりたいことが沢山あったと思いますが最後のオゾンでの大きな展覧会は岩倉滎利の名前と共にいつまでもデザイン界の記憶に残ることでしょう。
どうぞ安らかにお眠りください。
60周年プレイベント デザイン職人「四方山話」第二夜 2017.09.04
JID AWARD 2017 表彰式
EIRI IWAKURA DESIGN in Copenhagen 資料より