interior TREND
メゾン&オブジェ パリ2015より
新しいデザインを「作る」知性
北・東日本エリア 篠崎恭子
世界的にインテリアデザイン&ホームファニシングを牽引する、Maison&Objets Paris (メゾン・エ・オブジェ・パリ)は今年で20周年を迎え、よりライフスタイルを楽しく美しくするための、最新のプレゼンテーションやプロダクトが紹介された。2015年1月23日〜27日の5日間、パリの ノール見本市会場には国内外からの多くの来場者が集まり、新しいビジネスチャンスが多くを感じることのできる見本市となった。
毎年、主催者が市場をより喚起するためのアクションのひとつとして、発信されるトレンドキーワード。2015年のテーマは「MAKE (メイク)」。時代の変化、絶えず発信される社会からの微細な警告を接ぎ合わせ、解釈することで新しいインテリアの価値を創り出そうというものだ。
ひとつは「NATURE MADE (ネイチャー・メイド)」。
自然界とテクノロジーを融合させた最新のオーガニックスタイルの提案。
ふたつめは「HUMAN MADE (ヒューマン・メイド)」。
手が最もラグジュアリーなツールであり、陶器や織物などのさまざまなマテリアルを扱う若手クリエイターを紹介し、次世代のハンドクラフトの方向性を打ち出した。
そして最後は「TECHNO MADE」。
デジタル環境の発達により、プロダクトデザインに対するアルゴリズムが進化し、美しく楽しく、快適性を備えたプロダクトが多くの人の手元に運ばれるようになった今日、さらにそのデザインシステムは強固なものとなるという提言であった。
流通も大きく変化を遂げ、個々の嗜好性も深化する現代、無意味なデザインに価値はなく、消費社会の疲弊、終焉を迎えている実社会へのアンチテーゼを打ち出したプレゼンテーションとなった。新しい空間やプロダクトを発信する側としては、「作る」知性、売り場を「作る」知性が不可欠な時代になったといえるだろう。