JIDnews306号(7月・8月・9月)

(発行日:2025.10.10)

JIDnews は、公益社団法人 日本インテリアデザイナー協会が発行する機関誌です。

編集

発  行  人:丹羽浩之
担 当 理 事:冨田恵子
編  集  長:八十常充
委  員  長:櫻井良樹
北・東日本エリア:小林秀徳
中日本エリア:中島健視
西日本エリア:魚田 純
南日本エリア:杉 佳亮

第28回デザイン職人『四方山話』開催のお知らせ

4エリア合同 デザイン職人四方山話委員会 浅野盛治


今年度は12月5日に『カリモク家具 工場見学とセミナー』を開催します。

カリモク家具株式会社は、愛知県知多郡に本社を置く主として木製家具を製造・販売をしている会社で主要工場を知多郡東浦町に置き全国的にショールームを展開しています。

カリモクでは Forest_Craft_and_Humansを企業理念として森から製品までを一つの流れとして捉えています。今回は、木材の乾燥から製品になる過程を見学します。

セミナーでは、企業としてのデザインコンセプト、海外展開、社外デザイナー起用、社内のデザイン組織としてのインナーデザイナーの活動を視点において展開します。

講師として、カリモクのインナーデザイナーも参加の予定です。

インテリアのプロの期待にそえる見学会・セミナーとなるよう内容を現在検討中です。

なお 同業他社の賛助会員の参加も可能となっています。

あれキッズデザイナー2025「みんなでつくる夢のまちインテリア」

北・東日本エリア キッズデザインプロジェクト 副委員長 小川和彦

キッズデザインワークショップ2025 開催報告

キッズデザインワークショップは、2008年にJID(日本インテリアデザイナー協会)創立50周年を記念してスタートし、今年で17年目を迎えるJIDならではの独自性の高いイベントです。

2025年度は、7月26日(土)・27日(日)の2日間にわたり開催され、43名の児童が参加しました。会場はリビングデザインセンターOZONE 5階セミナールームで、子どもたちは自由な発想を大切にしながら、世界にひとつだけの作品を作り上げました。

今年のテーマは昨年に引き続き「みんなで作る 夢のまち☆インテリア」、サブテーマは「小さな手から大きな未来へ、親子で楽しむデザインの旅」。子どもたちは本物の材料や道具を使い、創造力を発揮しながらデザインの楽しさを体験しました。

展示と認定式

作品展は7月28日(月)から8月23日(土)までOZONE 6階ロードサイドスクエアにて行われ、最終日には「JIDキッズデザイナー認定証授与式」を開催。授与式には14名の児童が参加し、作品への思いや学びを共有する貴重な時間となりました。

また、新たな試みとして、授与式前にはKitani(キタニ)様のご協力のもと「オリジナルコースターづくり」のワークショップを実施。児童7名と保護者を含め、計14名が参加し、親子でのものづくりを楽しみました。


キッズデザインワークショップの特徴

1. デザインの楽しさを体験

子どもたちは、実際の素材や道具を使って自由にデザインに取り組みます。自分のアイデアを形にする喜びを知り、自己表現の大切さを学ぶことで、創造力を育む貴重な体験となります。

2. コミュニケーションと社会性の育成

親や友達と協力して作業することで、他者の意見を尊重する力や社会性が育まれます。異なる価値観を持つ人々との協働は、共感力や協調性を養う上でも重要です。

3. 事前準備とプレゼンテーション

ワークショップでは、事前に宿題を出し、子どもたちが自らテーマを選び、調べ、考えるプロセスを重視しています。制作後にはプレゼンテーションの時間を設け、思考力・表現力・コミュニケーション力を育む場としています。


インテリアへの関心を広げる場として

キッズデザインワークショップは、親子でインテリアに興味を持つきっかけづくりも目的としています。会場であるOZONEには多くのインテリア関連企業が入っており、参加者が展示を通じてインテリアへの理解を深める機会となっています。将来、参加者の中からインテリア業界を担う人材が育つことを願っています。


感謝の言葉

本ワークショップは、共同開催のiconをはじめ、会場を提供していただいたOZONE様、ワークショップを支えてくださったKitani様、そして協賛企業の皆様のご支援により実現しました。この場を借りて、心より感謝申し上げます。

なお、2025年7月26日・27日に開催されたキッズデザインワークショップの作品は、JIDのホームページにてご覧いただけます。ぜひご覧ください。


キッズデザインワークショップ 2025年開催概要

  • 日 程:2025年7月26日(土)・27日(日)
  • 時 間:各日 10:30~16:00
  • 会 場:リビングデザインセンターOZONE 5階 セミナールーム
  • 参加者:児童43名(保護者含め約100名)
  • 作品展:7月28日(月)~8月23日(土) OZONE 6階 ロードサイドスクエア

ワークショップメンバー

JID:池田和修、小川和彦、小野上勝志、亀田一幸、小林秀徳、櫻井良樹、冨田恵子、
   鳥井貴正、原山英弥
icon:小玉靖子、北谷明日香、田中みつ子、濱中恵理、森山恵、伊藤千晶、畑忠成、
   増田恭子、上田眞江

企画・協力・協賛

  • 企画運営:公益社団法人 日本インテリアデザイナー協会(JID)
         一般社団法人 日本インテリアコーディネーター協会(icon)
  • 協  力:リビングデザインセンターOZONE
  • 協  賛:学校法人環境造形学園専門学校ICSカレッジオブアーツ
         株式会社ワーロン    株式会社イリア
         オンウェー株式会社   トーソー株式会社
         OZONEショールーム
  • 資材協力:朝日ウッドテック  浜本工芸  KITANI東京ショールーム
         TOKYO MOKUNAVI MOCTION  株式会社藤栄
         マナトレーディング株式会社

DESIGN WEEKEND OSAKA 2025における、【USD-O DESIGN GALLERY】活動報告

西日本エリア エリア長 来海素存 

2025年9月11、12、13日に大阪市内のまち全体を会場とする自立分散型イベント「DESIGN WEEKEND OSAKA 2025」が開催され、JID西日本エリアが加盟する大阪デザイン団体連合(USD-O)は、『USD-O DESIGN GALLERY』をテーマにこのイベントに参加致しましたのでご報告いたします。

JID 活動展示パネル
大阪デザインセンター イベントスペースでの展示

実施期間:2025年9月11日~13日の3日間、10時~18時

会場:大阪デザインセンター イベントスペース (大阪市中央区船場中央1-3-2-101 船場センタービル2号館)

参加者:USD-O (大阪デザイン団体連合) =JIDA,JID,SDA,JCD,JDSA,日本パーステック協会の関西6団体。

テーマ:関西を拠点に活動する様々な専門領域のデザインを知り・感じ・体験するイベント

内容:トークセミナー・ワークショップの2本立てとして、3日間で計16本を実施した。

活動計画:25年7月より6団体連合で実行委員会を結成し、開催までのスケージュール策定、協議を行った。

その後、イベント告知フライヤーの作成、会場レイアウト検討、セミナー・ワークショップの各団体割当を行い、9月11日から会場がオープンした。会場を提供して頂いた大阪デザインセンターの協力を得ながら、期間中に60名を超える参加がありました。

日本パーステック協会 会長によるパース実演セミナー
JID担当セミナーでの酒井理事の熱弁!

この内でJID-WEST(西日本エリア)の担当した3つのセミナーは以下の3つ

  • ㈱ トミタによる『ビニルの代わる機能性の高い不織布壁紙の紹介』
  • 酒井理事による『IFIと東アジア地域のサスティナブルなインテリアデザインの動向』
  • 酒井理事による『デザインイベントの構造と潮流~ミラノデザインウィークが日本のインテリアデザインに与える影響』

ワークショップは、日本パーステック協会がパース実演セミナーを3日間連続で実施すると共に、JCDが

『わたしだけのテーブルライトをつくろう!』を同じく3日間行った。

このイベントへのJID参加者は、安藤理事、酒井理事、小宮委員、来海委員であった。

充実した内容の展示・セミナー・ワークショップであり、6団体の交流も図れたが、当初より懸念していた集客への課題が残った。参加者の殆どが団体関係者であったので、よりUSD-Oを一般の方々に知って頂くことへの

難しさを改めて痛感した。反省すべき点も多くあったので、10月開催のUSD-Oの理事会で総括を行う予定である。

キッズデザイン

インテリアデザイナーとつくる「わたしのあかり」

西日本エリア ACTIVE委員会 委員長 金沢ちかこ

インテリアデザイナーとつくる「わたしのあかり」

西日本エリア恒例のキッズデザインップワークショプを、テーマ:インテリアデザイナーとつくる「わたしのあかり」として大阪市住まい情報センターと共同開催で、8月9日(土)1回目10:30~12:30と2回目14:30~16:30の2回に分けて行いました。 参加者1回目20組、2回目12組の保護者と一緒にご参加いただきました。

 夏休みのイベントとして、多くの小学性が参加して保護者も一緒になって楽しい雰囲気でした。

 2Lのペットボトルの台部分にLEDの照明器具を組み合わせて、JIDが準備したカーテン生地、壁紙、色紙、カラーセロハンや自然素材のツタ、綿、色の紐やボンボリなどを使って思い思いに工夫をしながらステキなランプを完成しました。

タテ型に使ったりヨコ型にしたり、ペットボトルを2つ組み合わせたり、かごのように持ち歩く事が出来る様にしたり・・・と、子供たちの自由な発想の可能性を感じました。

 完成後は少し暗い部屋であかりを灯し、喜びの声などみんなで完成を楽しみました。

自由な発想で仕上がった作品
あかりを灯すとこんな可愛い「わたしのあかり」に!
いろんな使い方ができるあかりなんだとか
あかりを灯すとこんなPOPな「わたしのあかり」に!
第一部の参加者
第二部の参加者
第一部参加者の作品
第二部参加者の作品

この事業は、2012年8月18日から大阪市住まい情報センターとの共同開催として定着し、大阪市内の小学校への広報を担って頂いています。

 JIDは、イベントの企画から制作材料の選択や調達を行い、当日の受付から制作の説明、指導など運営のすべてをJIDメンバーとサポーターなどで行います。

 参加費は500円と少額、小学生が出来る範囲のものにするのに苦労をしますが、テーマに対して提供された素材を使って如何に自分のイメージの物をつくるか・・・

その過程と出来たときの喜びを持ち帰る経験は、大きくなってから実らせて欲しいと願っています。

ヒュッゲな暮らしを彩る北欧のあかり展トークイベント

南日本エリア 杉 佳亮

南日本エリアで公益目的委員長を務める九州産業大学の安齋教授が、令和7年7月に開催された「ヒュッゲな暮らしを彩るあかり展」でトークイベントに登壇され、南日本エリアメンバーも参加しました。

大学内の照明実習室が会場だったため、名作照明器具を見ながら北欧のあかり事情、暮らし方などが紹介され満員御礼の来場者たちも熱心に質問されたりメモしている姿が印象的でした。


大学の講義が終わって夕方からの開催ということもあり、学生も一般の方も多く参加。
実務経験も豊富な安齋教授の照明計画や照明器具について実際の施工事例を交えながらわかりやすく紹介いただきました。

知識を深めながら名作照明を実際に見られる、実り多きトークイベントとなりました。

産学官の交流が促進されながらJIDを知ってもらえるようなイベントを今後企画していきたいと思います。

APSDA AWARDS 2025 受賞報告

南日本エリア 杉 佳亮

私(南日本エリア広報 杉)がChief Designerを務めるOLDGEAR(オルドギア)のマンションリノベーション建築作品「Reptile House」が APSDA AWARDS 2025(アジア太平洋地域の優れた空間デザインを顕彰する国際アワード)住宅部門のファイナリストに選出され、8月上旬に授賞式&Gala Dinnerに参加してきました。

(↑ 共にプロジェクト担当したデザイナーMISAKIと授賞式会場にて。会場はフィリピン・マニラの シャングリラ・ザ・フォート🇵🇭)

ありがたいことに、住宅部門において 審査員特別賞(Honorary Mention) を受賞することができました。
(APSDA PresidentのKeat Ong氏(左)とJIDの丹羽理事長(右)と記念撮影)

また日本から同じくファイナリストとしてノミネートしていた竹中工務店の《ザ ロイヤルパーク アイコニック名古屋》が見事ホスピタリティ部門で銅賞を受賞。

大阪本社や名古屋支店から来られていた5名が登壇され日本を代表する建築作品の受賞を、自分事のように誇らしく感じました。本当におめでとうございます!
私が応募したプロジェクトはマンション一室のリノベーション空間でしたが、そのほかインド、シンガポール、台湾、中国、韓国、インドネシア、マレーシアなど多彩な地域から数多くの作品やデザイナーが集うなかで感じたのは各プロジェクト規模の大きさや住宅の広さ。

日本の住宅規模とは比較にならないくらい広く大きなプロジェクトが揃う中でマンション一室の空間デザインが評価いただけたことは、大きな喜びであり、この場を借りて改めてお施主様ご家族、そしてプロジェクトに関わってくださったすべての皆さま、応募の機会を与えていただいたJID関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
授賞式が行われた会場は五つ星ホテルの名に相応しい格調高さ、入場時には空港並みのセキュリティチェックが行われるほど厳重な体制。スタッフの衣装やホスピタリティもエキゾチックで印象的でした。

Gala Dinner では、プロ司会者によるウィット豊かな進行に加え、ライブパフォーマンスやスピーチ、照明演出に至るまで華やかで、魅せ方やエンターテインメント性に富んだ演出は大変勉強になりました。
今回の授賞式参加で他国の作品を見てもっと高みを目指したいと思わせられましたし、国境を越えて日本の建築美が評価されるよう、今後も日本発の空間デザインを世界へ発信していく所存です。

2025.10.10

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