■ 名古屋文化短期大学 ■





山口千紘さん
海を眺めて
~開放感のある自由な暮らし~
「部屋中から海を眺望できる家に住みたい」をコンセプトに計画。サーフィンが趣味の夫、在宅ワークをする妻、二人の子供が自由に暮らせる家をイメージしてデザインした。
評価のポイント:
住宅をコンセプトに基づき設計デザインし、模型、3Dパース等を使って表現することができた。インテリアのコーディネートも合わせ、調和のとれた空間をデザインすることができ、良い作品になったと思う。
■ トライデントデザイン専門学校 ■



インテリアデザインコース
林宏樹さん
感覚
評価のポイント:
情報があふれる現代社会が嫌になっており、自身の感覚に集中できる機会が少ないと感じていたところからスタートした。この空間に訪れた人々が自身の存在と深く向き合えることを願った作品。建築物と自然との相反するテーマと対話し、真摯に取り組む姿勢は大変評価できる。
トライデントデザイン専門学校 インテリアデザインコース長 田淵智子
■ 椙山女学園大学 ■






濱嶋雅さん
椙山女学園大学・富士見寮におけるホールと集会室のリニューアルプロジェクト
今回、名古屋市名東区にある椙山女学園大学・富士見寮のホールと集会室のリニューアルプロジェクトをおこなった。寮生と生活環境デザイン学科の学生を交えて3回のワークショップをおこない、要望や意見を取り入れながらプランを決定した。ホールと集会室を3つの空間に分けて「みんなのいばしょ FuFu/JiJi/MiMi」とした。「FuFu」は小上がりをつくり、靴を脱いでゆったりと過ごすことができる空間とした。「JiJi」は既存のキッチンを活用したキッチンスペースと飲食ができる場所と作業ができる場所にした。「MiMi」は間仕切がついた机を設置し、個人での作業・学習に集中できる場所にした。
評価のポイント:
本学・学生寮1階のホールと集会室をリニューアルして、寮生の憩いの場へと変化させた実践プロジェクトで、寮生と学生との3回のワークショップを重ねて、リニューアル案を深め、施工の段階でも学生の自主施工を取り入れるなど、学生の主体性が評価された。また、実現に向けては、施工会社とのやり取りや、仕上げ材の選定などにも関わり、リアリティを持ったプロジェクトである点も評価された。
■ 金城学院大学 ■







空間デザインコース
前田珠莉亜さん
道の駅で育む未来 ~地域と子育てを繋ぐ新拠点~
地方都市において抱える少子化に対して、地域活性化となる子育て支援の発信拠点を設計した。地域住民や来訪者の子育てのサードプレイスとなり、街の魅力向上、移住、定住者の増加を図る事を目的とした。
評価のポイント:
現代日本の社会における若い世代の子育てや将来の不安、地方都市の若年女性人口の減少に対し、地域に密着したみちの駅に視点をおき、公的な遊び場を設けた施設改修計画を行った。子育て世代の居場所、地域住民のサードプレイスとなる施設の設計で、町全体の魅力向上と人口流出の抑制となり、地域発展に繋がる計画となった。
生活環境学部 環境デザイン学科 空間デザインコース 教授 弓立順子
■ 名古屋造形大学 ■








金津大和さん
新たなモビリティによる地域の未来
持続可能な発展が重要な現代社会において、特に郊外の地域社会では人口減少による停滞を防ぐ新たな経済的活性化の方策が求められています。このような背景の中、自動運転による新たなモビリティサービスは地域の持続可能な未来を実現する重要な要素となります。都会と地域を結ぶモビリティの活用、そして1人用モビリティを利用した自然を感じられるワークスペースへ都会から人を呼び、地域との交流の場を提供することで、地域の活性化と持続可能な社会を目指します。
評価のポイント:
大都市には近いが人口減少の進む自然豊かな郊外地域は全国に存在するが、この活性化を「自動運転によるモビリティ施設」という新しい視点で取り組んでいる。これまでに無いプログラムは多難な道であったが、最後まであきらめることなく精度の高い設計デザインとモビリティのプロダクトデザインを達成したことを評価した。
■ 愛知淑徳大学 ■







建築・インテリアデザイン専攻
鈴木あいかさん
Tensegrity chair
これまでの椅子などの家具は、圧縮材となる柱を支えとして作られることが一般的である。本制作では、その柱を取り除き、テンセグリティの連続した引張材を支えとして配置し、椅子としての機能を失わないまま、「浮いているように見える」デザインを追求。テンセグリティ構造の引張材を利用すれば、重量の大きいコンクリートでも支えることが可能である。この物理的な矛盾(浮遊しているように見える重いコンクリート)を実現させ、椅子を単なる実用家具としてではなく、存在そのものに視覚的な問いかけを生むオブジェとして再解釈する。
評価のポイント:
当該学生はテンセグリティ構造に着目し、重いコンクリート材で苦労の中何度も挑戦した結果、素晴らしい作品を制作した。
この卒業プロジェクトは、JID中日本学生賞に相応しいものと考え、ここに推薦いたします。
愛知淑徳大学 田島祐之
■ 名古屋芸術大学 ■






スペースデザインコース
小松千聖さん
amumaku→?
-遊びが発展する未完成の遊びコンテンツ-
現代はゲームや遊具など完成された遊びで溢れている。そのため、何もない空き地で遊んでいた時代と比べると、自分たちで考えて遊ぶ機会も減っているのではないだろうか。そこで、子供の” わくわく” を刺激し、豊かな発想力を引き出すきっかけになる遊びのコンテンツを制作した。amumaku→?は、【編んだり、巻いたりして遊ぶ→作ったもので遊ぶ→作ったものを組み合わせて遊ぶ】と、作る過程で起こる変化も楽しみながら子供たち自身で遊びを作ることができる。” 未完成の遊び ” のコンテンツを通じて、現代の子供たちの豊かな発想力からわくわくするアイデアを生み出す力を引き出したい。
評価のポイント:
ワークショップを繰り返し行い数多くの子どもとの関わりの中から、年齢別にやれる事を理解し遊びのコンテンツとしてまとめ、そこから遊びのデザイン、場を作るツールとしてのデザインへと落とし込んだ。本製作までのデザインプロセスまでを含めJID中日本学生賞に推薦いたします。
■ 名古屋学芸大学 ■










デザイン学科・スペースデザイン領域
川瀬愛華さん
山の遊び舎
山での体験は、山頂からの美しい景色はもちろんのこと、四季や天気の移ろいを直に感じ、自然の中で自分と向き合う時間を持つことができる。この感動を多くの人に体験してもらうために、長野県木曽駒ケ岳乗越浄土に「山の遊び舎」を計画した。ロープウエーで近くまで来ることができるこの敷地は、普段登山に親しみのない人たちも簡単に訪れることができる。山小屋としての宿泊機能のほかに、多様な体験イベント、カフェテラスから眺望等、この施設では様々な人が好きなことを楽しむことができる。より多くの人が山の魅力に気付くことができる施設となることを目指した。
評価のポイント:
自らの趣味である山登りの良さをもっと広めたいという思いから生まれた作品。自然環境への配慮、また「山」にたくさんの人を呼ぶための仕掛けを数多く提案し、建築というカタチの提案だけなくコトのデザインに繋げている点を評価した。
メディア造形学部 デザイン学科 スペースデザイン領域担当 特任教授 原祥子
■ 大同大学 ■

3Dデザイン分野
草渓友基さん
プライウッド・カンチレバーチェア「Link」
本研究では視覚的に三次元曲線を感じられる成型合板のカンチレバーチェアを創造した。研究を重ねた結果、二次元曲げ成型合板の切削方法を工夫し、三次元に見える肘掛けを考案。三次元曲げではないため、大掛かりな設備や高度な技術を必要としない。読書の際など両手で物を持っている状態でも腕が置きやすいという機能も兼備する。座面と肘掛けの二つの部材が脚で一体になる構造により強度を担保し、木製カンチレバーチェアの弱点である耐久性の改善も試みた。さらに非使用時は椅子の座面下に美しく収まるオットマンも製作し、より安楽性の高い椅子が完成した。
評価のポイント:
空洞化する中心市街地周辺をこまめに歩き、綿密な調査を重ねた作品である。かつては栄えた6階建ての百貨店は、現在、3階から上は空室となっている。改修ではなく新たに大きな空間を提案している点に建築への期待をうかがえる。
建築・インテリアデザインコース 教授 西倉潔
■ 中部大学 ■










春山遼太さん
鋸屋根が織りなす⾵景の再⽣
-産業遺構の活⽤による⼀宮市の活性化-
愛知県一宮市には2,000棟以上も鋸屋根工場が現存している。しかし、繊維産業は衰退していき、これを支えてきた鋸屋根工場も次々と取り壊されている。一宮市のマスタープランによると、地場産業への支援や産業遺構の保護をしていくと述べられているが、そこまで手が回っていないのが現状である。そこで本計画では、一宮市木曽川町玉ノ井に現存する鋸屋根工場をコンバージョンし、取り壊された工場の廃材を再利用し、新築するとこで鋸屋根工場が織りなす風景の保存と、鋸屋根工場自体の保存を図る。
評価のポイント:
一宮市の繊維産業を支えた鋸屋根の工場の保存に取り組んだ作品である。現在の一宮市の景観において鋸屋根がどのような意味を持つのかをアンケートも含めて詳細に分析し、たんなるコンバージョンだけでなく、鋸屋根を再解釈した新築も交えた新たな保存方法に挑戦した意欲作である。
中部大学 工学部 建築学科 教授 中村研一
■ 愛知工業大学 ■












鈴木光さん
潮路を結ぶ駅
~海と街、人と産業を繋ぎ直す提案~
四日市は海を起点に発展してきた街だ。しかし、現在は海との繋がりが希薄化し、かつての活気や記憶が薄れつつある。 一方で、四日市を支える産業や物流は今も街の根幹を担い、地域住民の生活を支えている。しかし、その存在は日常の中で意識されることは少なく、生活者の視界から遠ざかっている。 本提案では、四日市駅を拠点に、失われた海との繋がりを再構築し、生活と生産の場を結び直す。過去から未来へと続く潮路を示し、四日市の暮らしと産業に新たな光を照らす。
評価のポイント:
JR四日市駅を交通・貨物拠点としてではなく、鉄道や国道で分断された東西の都市軸を海への架け橋として可視化し、コンテナの3mを基本寸法とした立体格子状の図書館で再構築する提案で、緻密で透明感のあるデザインが評価された。
愛知工業大学工学部建築学科 教授 中井孝幸
■ 名古屋工業大学 ■







建築デザイン分野
鵜﨑悠李さん
残り家
私の祖母の家は早くに亡くなった祖父とその兄弟が建てた家だった。しかし、息子夫婦と同居することになり、取り壊されてしまった。本提案ではこの家に住み続けたかった祖母の願いをかなえるべく、取り壊される前に戻り、祖母が住みやすく、豊かに暮らすことができるように改修をおこなう。また、それによって出た部材は保管しておき、次の改修に役立てるだけではなく、まちのエクステリアとして生まれ変わり、まちに残り続ける。
評価のポイント:
空洞化する中心市街地周辺をこまめに歩き、綿密な調査を重ねた作品である。かつては栄えた6階建ての百貨店は、現在、3階から上は空室となっている。改修ではなく新たに大きな空間を提案している点に建築への期待をうかがえる。
名古屋造形大学 建築・インテリアデザインコース 教授 西倉潔
2025.06.07