中日本エリア学生賞2021

Japan Interior Designers' Association - projects

2021年1月〜2月にかけて、毎年行っている「JID中日本エリア学生賞2021」を名古屋各地のデザイン関係各大学(愛知工業大学、愛知淑徳大学、大同大学、名古屋造形大学、椙山女学園大学など)から応募があり、審査を行いました。
たくさんの応募をいただき、厳正な審査の結果、受賞学生を決定しました。
今年受賞されました学生賞の結果を一部掲載致しますので、活動を皆さんに知っていただけましたら幸いです。

「防災の新しい形」

近年、大型の台風やゲリラ豪雨などの短時間での局所的な豪雨が多発しており、それに伴って川の増水による堤防の決壊や川の氾濫などの水害が増加しています。こういった水害はこの先も増加していくとみられています。
 しかし、水害に対する意識や対策はなかなかこういった現状に追いつけておらず、遅れています。地域住民の中でもハザードマップを把握していたり、避難所の場所を把握している人は少なく、水害が想定されている地域の住民の意識もそこまで高くはありません。このままでは急な豪雨や増水によって水害が発生した時に、避難が遅れてしまい、甚大な被害になってしまうことが想定されます。
こういった現状を踏まえて、私は水害が起きた時に地域住民がわかりやすく、安全に避難できるような「避難路」を設計します。
しかし、ただ安全に避難できるものを作るだけでは住民たちの避難路のルートを把握することはできないのではないかと考え、日常的に避難路を活用できる設計にしました。「避難路」は市場やビニールハウス、あるいは作物の収穫のための作業のスペースなど、「避難路」が通る場所によって用途を変えます。
このように日常的に「避難路」を使うことで、住民は生活の一部にこの「避難路」を体感し、防災意識を生活の中で育むことができます。
  名古屋造形大学 建築・インテリアデザインコース
  出田 開( Mirai Ideta )さん

「Literature ⇄ Architecture」~小説「セーヌ川の書店主」のイメージ空間~

小説「セーヌ川の書店主」の中に登場する空間、建物を自分なりにイメージし建築化していく。 文学の中では言語だけを使用し実在しないイメージの世界観をあらわしている。 言語だけで表された空間や形は読み手によって自由度のある空間や形を思い起こさせるため、イメージする空間は人それぞれである。 小説内で空間について書かれた記述、キーワードを私なりに解釈し組み立て形にする。 また登場人物の性格分析をし内面を表すようなインテリア設計をしていく。

  愛知淑徳大学 創造表現学部 創造表現学科 建築・インテリアデザイン専攻
  梶田 麻衣( Mai Kajita )さん

「狭間建築」

一般的な駅はプラットホームとその上屋、線路、駅舎で構成されており、普遍的であり駅という概念が決まってしまっていることに疑問を呈し、提案しています。 商店街と駅が都市計画道路の整備事業により駅からの人の流れが分断された為、人の流れを取り戻し新たな流れを取り入れるように工夫しました。
3階建ての建物で1階は半屋外となっています。 交流スペースは傾斜地や高低差を活かすと同時に自然を取り込み人のたまり場と心地良さを重視しています。 2階はコンコースで電車の乗り継ぎ場と第二の交流空間です。 商店スペースを設け、食べ歩きや電車を間近で眺める事が出来ます。 3階は連絡通路とし、主に電車の乗り換え時に利用します。 コアワーキングスペースを設けています。
ただ乗り換える為の利用としてだけではなく、交流スペースや休憩スペースを設置することで電車が来るまでの時間を快適に過ごせるように計画しました。 また、勉強スペースを計画し、空き時間を有効に利用できるようにしました。 コアワーキングスペースでは、異なる職業や仕事を持った人たちが同じ場所をシェアすることで情報交換や協働などの相乗効果を期待しています。
インパクトのある外観デザインは、視線を遮りながら光と風を通す格子を用い、屋根を曲線とすることで時間によって表情が変わるように設計しています。

  トライデントデザイン専門学校 総合デザイン学科 インテリアデザインコース
  伊藤 弘晃( Hiroaki Ito )さん

2024.11.16

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