―瀬戸内の島々で行われる現代アートの祭典―
嘗ては水運の利や豊かな自然に恵まれ、海産や農産で栄えた島々も高齢化と過疎化が進み現代社会から取り残されてしまっていた。
今年2回目の瀬戸内国際芸術祭は瀬戸内海に浮かぶ12の島と2つの港に約200点のアート作品が展開され島々に交流が始まっている。―100万人の芸術祭―
3月24日の「喜多俊之デザイン講演会」に参加された、西日本エリア会員の方々が芸術祭を訪れレポートをいただきました。
□男木島の印象
鬼田 勲
船を降りるなり、坂道だらけの島。何処へ行くにも細い坂道を上り下り・・・
作品鑑賞の前に島の風景と行き交うお年寄りの笑顔と元気な挨拶が印象に残る。
島そのものが、住んでいる人たちの生活そのものが感動的で作品ですよね。
男木島には若い人が居なくてお年寄りばかりだそうですが・・・
この原風景は残しておきたいですね。廃墟となって朽ちていく家もありましたが、老いてもまだ頑張っている家もありました。
アート作品!!・・・・・よかった。
□男木島 [SEA VINE]高橋治希
小宮 容一
8帖と6帖を吹き抜いた和室の左の窓から、磁器製の蔓と花と葉が成長して部屋中を支配する。変質した壮観で繊細なインテリアを見せる。
正面奥の開かれた窓の向こうに瀬戸内海が広がり、吹く風が蔓を揺らし生きている様にも思わせる。しかも、作家の意図では無いと思うが右側の壁の隙間からは本物の緑若々しい蔓が部屋に侵入し成長を続けている。
人工人為の芸術と自然のコラボレイションは感動的であった。
□男木島 [路地壁画プロジェクト]真壁陸二
鈴木 儀雄
男木島の路地を歩いて行くと、あちらこちらに古びた家の外壁にカラフルにペイントされた廃材の板を張り付けた壁画が目に入ってくる。
古い家が並ぶ路地となぜか溶け込んで爽やかな美しさを感じました。
□直島レポート
来海 素存
3月24日の早朝に神戸を出発、午後2時からの高松での喜多さんのデザイン講演会が始まるまでの時間に新幹線岡山、宇野経由で直島へ向いました。
時間効率を高める為に、直島で1社の「直島タクシー」をチャーターしました。
•地中美術館・ベネッセハウスミュージアムでは[国吉康雄展]開催中(~6/9)
•[もうひとつの再生2005-N]三島喜美代
•[文化大混浴 直島のためのプロジェクト]蔡國強などの作品が点在しているので随所で停車し、写真撮影を行った。
作品の近くに作品名称や作家名が記された案内表示板が立てられている。
本村地区は「家プロジェクト」6作品が点在・[護王神社/アプロプリエイトプロポーション]杉本博司・[石橋/ザ・フォールズ/空の庭]千住博を鑑賞した。
この辺りは狭い路地で古い家屋が残り風情がある。そんな中古い木造の民家の中にコンクリートの空間でつくられた[ANDO MUSEUM]今までのプロジェクトや直島の歴史の模型や写真が建物のスリットから差込む光で浮かび上がっている。
高松に向うフェリー乗り場の周辺には、・[赤かぼちゃ]草間彌生、・[直島銭湯 Iラブ湯]大竹伸朗、が実際に銭湯として使用している設備として圧倒的な存在感。
□豊島 [100年の闇・ほか]木下晋
八十常充
生後百日で両眼共 ‘そこひ’ にかかり全盲に・・・苦難の人生を歩まれた盲目の旅芸人小林ハルさん(享年106歳)をモデルに10H~10Bの鉛筆を使い分けて書かれた感動的な鉛筆画とぴったりマッチした民家の空間でした。
―豊島・家浦―
―豊島・唐櫃岡―
会期・春シーズン:3月20日~4月21日
夏シーズン:7月20日~9月1日
秋シーズン:10月5日~11月4日
会場・直島、豊島、小豆島、男木島、女木島、大島、犬島、高松港、宇野港、
沙弥島(春)、伊吹島(夏)、本島、高見島、栗島(秋)
*芸術祭の感動的場面をシリーズで掲載いたします。
参加された方はレポートをお送り下さい。
〔送り先:head@jid.or.jp〕
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