JIDnews291号:令和3年4月・5月・6月号

(発行日:2021.09.20)

JID月報:通巻291号

JIDnews は、公益社団法人 日本インテリアデザイナー協会が発行する機関誌です。

編集

担当理事:小林秀徳
編  集  長:八十常充

編   集  :エリア担当
北・東日本エリア:櫻井良樹
中日本エリア:中島健視
西日本エリア:魚田 純
南日本エリア:小野和徳

令和3年度定時総会ご報告

副理事長 小野上勝志

令和3年度定時総会(通算第9回)が6月4日(金)15時30分より、新宿パークタワー5階OZONEセミナールームに於いて開催されました。
 本年度の定時総会は、新型コロナウイルス感染症が拡大の社会的状況から、5月の理事会にて議論を重ね、開催規模の縮小、会員の議決権の行使については書面で行うこととし、開催をウェビナーで行うことにしました。

 総会は感染防御の出席自粛で、書面による議決権行使107名 委任状出席16名、合計123名であった。

 会員総数180名の1/2、の91名以上の出席で定足数を満たし、総会成立を確認。会場には理事長以下5名が出席し、ウェビナーによる進行の体制をとり、議長に丹羽浩之理事長があたり議事に入りました。

 開催に先立ち丹羽理事長から前年度の総括に続き本年度の方針を議案書に沿って説明を行う。まだまだ厳しい環境の中でJIDが一丸となって運営を図ってゆくことを念頭に、順次議題の審議に入りました。

 第1号議案:令和2年度事業報告(案)並びに令和2年度収支決算報告(案)の承認の件について、議案書に沿って昨年度の活動を総括的に報告。

 質疑応答の後、議長は提出された決議書の採決を発表、賛成多数をもって承認されたことを確認。ウェビナーの参加は37名と予測を下回りましたが、リアルとはまた違った緊張感で議事は進行しました。

 続いて議長から第2号議案:令和3年度事業計画 (案)並びに令和3年度収支予算・資金調達及び設備投資の見込み以下第3号、第4号の各議案について審議。各理事から担当の議案の補足説明を行いました。
 令和3年度の事業計画及び収支予算につきましては、法令の定めにより2021年3月の理事会承認の後、3月末日内閣府にすでに提出済で、新型コロナウイル禍への対応策を補足説明、質疑応答の後、議長は各議案の採決を確認報告し、承認されました。
最後に議長より本年度事業の方針及び各事業活動の推進を約し総会は終了しました。

 恒例の交流会については新型コロナウイルス感染症対策、自粛規制などにより中止としました。
ただ、交流会が会員相互の親睦の場としての役割が高いので、これから各エリアでリモートなどを活用した交流会を予定していますので、開催のご案内がありましたら皆様の参加をお願いします。

ワールドインテリアウイーク2021 開催ご報告

副理事長 池田和修

2021年5月22日(土)から29日(土)迄、公益社団法人日本インテリアデザイナー協会と公益財団法人日本デザイン振興会が共同で『World Interiors Week 2021 in JAPAN』(WIW)開催致しました。

 今年のIFI「World Interiors Day」世界共通テーマは、[Design as a Global Conversation](グローバルなコミュニケーションとしてのデザイン)
日本での『World Interiors Week 2021 in JAPAN』では、「Well-being and Well Living」「ウェルビーイングな暮らしを語ろう」と言うタイトルを設定し、このパンデミックの中で目まぐるしく変化する暮らし方、その多様性、それらを実現するためのデザインや、インテリアデザインが果たすべく役割について5月22日(土)から順次、大阪・名古屋・福岡でオンラインウェビナーを開催。
期間最終日の5月29日(土)には、東京ミッドタウン・デザインハブを拠点として、メインシンポジウムをオンラインウェビナーで開催致しました。
 多くの皆様にご視聴いただき誠にありがとうございました。

 このイベントが、生活スタイルのパラダイムシフトが急激に訪れ、「暮らし方」「ウェルビーイングな暮らし」を再考する良い機会になったと考えます。
創造性に富んだ社会への構築とインテリアデザインの向上並びに住宅関連企業など産業全体に反映し発展に寄与する事を期待いたします。

 「World Interiors Day 2021」デザインシンポジウムご報告
 “Well-being and Well Living”「ウェルビーイングな暮らしを語ろう」
 5月29日(土)14:00∼16:00(ONLINEセミナー)ZOOMウェビナー配信(視聴無料)

暮らしの変化の状況をいち早く考え、実行されている方4名の専門家をゲストにお迎えし、プレゼンテーション及びトークセッションをオンラインで行いました。
 働くと暮らすの関係性・不動産開発、需要動向と展望・木材の事、暮らし方の変化・デザイナーの考えなど、「暮らし方」「働き方」「ウェルビーイングな暮らし」を再考する良い機会と捉え、インテリアデザインが果たす役割について改めて考えます。

・レクチャー1
 武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科 教授 インテリアデザイナー 五十嵐 久枝氏

・レクチャー2
 ㈱オカムラ デザイン本部 プロダクトデザイン部 部長 辛島 隆氏

・レクチャー3
 住友林業㈱建築市場開発部 副部長 杉本 貴一氏

・レクチャー4
 三菱地所㈱コマーシャル不動産戦略企画部R&D戦略ユニット ユニットリーダー 石川 直氏

VinFast Global Showroom Design Competition 2021のご報告

理事 酒井コウジ

国際審査委員会の審査員として、JIDからは理事長の丹羽理事長が参加致しました。 
Vietnam Design Association – Ho Chi Minh City(VDAS)は、JIDが、 デザイン交流をしている団体の一つであり、 アジアパシフィックデザインセンター(APDC)、Competition Archiと共に、 YAC(young architects competitions)、Archdailyなど、インテリアデザインや建築業界の多くの著名なパートナーの支援を受けて、 「VinFast Global Showroom Design Competition 2021(VFDC 2021)」が開催されました。

ベトナム初となるスマートカーブランドVinFastのショールームのデザインアイデアを募るデザインコンペは、 Lindin等のSNSを中心とした短期間の募集でありながら、世界90カ国以上から𝟏,𝟎𝟎𝟎以上のエントリーが集まり、注目度の高さが伺えるものでした。 VFDC 2021は、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリア、 そしてVinFastのグローバル戦略における主要市場であるベトナムからのデザインコンペに参加者は大いに魅了しました。 
 国際的に活躍する一流のデザイナーとビングループの幹部で構成された国際審査委員会では3段階の厳正な審査を経て、 2021年4月23日、VDASとVinFastは、VFDC 2021の結果を正式に発表しました。 
 国際審査委員会は、9名の優秀作品を選出し、 最優秀賞は、デザイナーのVicky Daroca氏(米国)30,000米ドル授与)、 8名のデザイナーは、優秀賞(1,750米ドルを授与)として決定した。 そして、受賞者9名の作品は、ニューヨークのタイムズスクエアのNASDAQビルの大型ビジョンで大々的に紹介されました。 審査員の一人として、JID丹羽理事長は、応募作品の全体の印象として、レベルが高く時代をリードする優れたデザインが多かったこと、 また、ショールームとしての機能はもちろんのこと、オリジナリティのある独自の解釈でデザインされたものが多く、 新しいデザインに魅了されたとコメントを述べられています。
(https://vinfastcompetition.com/en)

受賞者 FIRST PRIZE(最優秀賞) Vicky Daroca / Carlos Bravo Alzamora
SECOND PRIZE(優秀賞) 8名の受賞者です。
① Nour Ismail Mohammad Abdel Hafez / Yasmeen Mohammad Hasan Alshourbaji / Mohammad Nabil
② James Braes Atkinson / Sang Ho
③ Erdem Dokuzer (M. Arch) / Neşe Dokuzer (M. Arch) / Ömer Sağer (Arch.)
④ Cyril Lamy / Tuyen Do Le / Vi Hao Thang
⑤ Arav Kumar
⑥ Vu Manh Thang
⑦ Tran Anh Dung
⑧ Ho Mong Long / Tran Huu Huy Tung / Nguyen Thi Thuy Dung / Bui Phuong / Nguyen Hung Long
国際審査委員会メンバー

Steve Leung – Founder of Steve Leung Design Group Prof. Patrick Fong – President of APDA Ho Tan Duong – President of VDAS Design Association | HCMC-Vietnam Marcin Husarz – Founder of Competition Archi Alessandro Cecchini – Co-founder of Young Architects Competitions David Basulto – Founder & General Editor of ArchDaily Niwa Hiroyuki – President of JID Keat Ong – President of Society of Interior Designers Singapore (SIDS) Koji Sakai – Member of Director of JID Ching Yew Tung – Director of Interior Design Award SODA Suzy Annetta – Founder & General Editor of D/A Thái T Thanh Hải – General Director of VinFast David G Lyon – Designer & Counselor of VinFast Nguyễn T Vân Anh – General Director of US VinFast Huỳnh Dư An – General Director of Canada VinFast Trần T Hồng Bích – General Director of Europe VinFast Đoàn Kiều My – Marketing Director of Vietnam VinFast 

人と人をつなぎ、才能を伸ばし、VinFastの知性を称えるために、地球の日である4月22日に、 VinFastのショールームのベストデザイン9点が、タイムズスクエア(米国ニューヨーク)で表彰されました。 優秀なコンテスト参加者には2021年にVinFastのグローバルプロジェクトやプログラムに協力する機会が与えられます。 日本からも、このような世界のコンペに参加していただき、賞に絡んでいただきたいと願っています。 以上、国際委員会から、国際コンペの報告でした。

WIW 2021 名古屋『WEB セミナー 』

森 勝利

 5月28日(金) 13:30~15:30、会場国際デザインセンター6F セミナールーム1に於いてWIW 2021名古屋「WEBセミナー」を参加者47名で開催致しました。
 第1部は、JID AWARD 2020 受賞者セミナー
前半は、講師上河内 浩氏 ㈱竹中工務店 により「 ニフコ名古屋技術開発棟 」 を発表して頂きました。
 建物の全体を立体的にブロックに分け、各部署がスムーズに、コミュニケーションが取りやすく自然に打ち合わせできる空間作りは、大変すばらしい取り組みだと感じました。

ニフコ名古屋技術開発棟

 受賞者セミナー後半は、講師溝口周子氏、+wow design associate により「社会福祉法人 宏潤会 大同病院 職員食堂と、交流の場」を発表。
 溝口氏は、現在、名古屋造形大学准教授をされていることもあり、学校と地域を取り組んだ活動を、医療施設のインテリアにも積極的取り入れて地域社会に貢献され、コロナ禍での医療スタッフへのお役立ては、本当にうれしく思いました。

大同病院 職員食堂と交流の場
ワールドトレンドセミナータイトル

第2部は、ワールドトレンドセミナーになります。
講師は、森 澄子氏、㈱インテリアネッワークスによる、
「パリ・ホテルインテリア10年の変遷から、今後の傾向まで」を発表。
10年の蓄積された内容を、
①「歴史的建造物をリノベーションしたホテル」
②「伝統あるクラッシックスタイルホテルのモダンデザインへの挑戦と融和」
③「五感に響く、今日的なホテル」
④「サスティナブル、エシカルな取り組み、都会生活の新しいビジョンのホテル」 と、
4つのカテゴリーに分け、分析された内容は圧巻でした。又、豊富な画像と、聞きやすい
語りは、楽しく、また次回拝見したいと思いました。

パリ・ホテル

最後に、今回の中日本エリア初のWEBセミナー開催にあたり、池田副理事長には、大変大きなご協力をいただき感謝しております。ありがとうございました。

「もの・空間デザイン学生フォーラム KANSAI」及び「ホスピタリティあふれるこれからのインテリア」開催ご報告

広報委員長 魚田 純

 西日本エリアではWIW ワールドインテリアウィークイベントとして、5月22日(土)13:00~17:30 Part 1「もの・空間デザイン学生フォーラムKANSAI 」、Part 2「デザインカンファレンス・シンポジウム」を開催致しました。
 オンライン開催となりましたが100名を超える方にご参加いただき大盛況のイベントとなりました。
この日の登壇者は学校関係が5校、11名、賛助会員及び会員デザイナーの7名、USDOから2団体2名参加していただき総勢20名の方にご登壇いただき、大変充実したイベントとなりましたのでご報告いたします。Youtube JID_WESTにアップしていますのでご覧下さ(https://youtu.be/gA52nXW0AwA

PART 1「もの・空間デザイン学生フォーラムKANSAI」 13:00~15:25

PART1は三部構成で、第一部 デザインレクチャー「デザインのプロに学ぶデザイン手法とこれからのデザイン」テーマに2名の方に登壇頂きました。
・第1登壇者:大森あき子氏
 空間デザインの領域についてをわかり易く、物件の写真と共に各事例について解説して頂きました。
・第2登壇者:中村祐輔氏
 人々の活動に於ける様々なパブリックシーンにおいて作り出されるコミュニケーション空間。
ショップデザイン業種、業態、外観や看板のデザイン設計をする際の考え方を解説して頂きました。 業種業態をわかりやすく伝えるためにはどうするのか、業種業態を表すノーマルデザインを理解することの大切さ、時代によって変化する消費者の視点も含めお話し頂きました。
カフェデザインの考察も写真をもとにお話いただきました。

第二部 学生プレゼンテーション
 中央工OSAKA、神戸松蔭女子学院大学、九州女子大学、関西国際大学、国士舘大学5校の学生によるプレゼンテーション。
 現代の課題を取り入れた作品も多く、柔軟で新しい発想が多く大変興味深い発表でした。

ゲストとともに楽しむ船上で行う結婚式
中央工OSAKA インテリアデザイン学科2年の学生
芦屋の店舗併用住宅設計
神戸松蔭女子学院大学 人間科学部 ファッション・ハウジングデザイン学科の学生
アパレル廃棄(衣服ロス)をエコバックに〜エコバックプロジェクト〜
九州女子大学 家政学部 人間生活学科 チームS.I.LAB 4回生の学生
豊里町リノベーション
関西国際大学(神戸山手キャンパス)現代社会学部綜合社会学科建築インテリアワールドの学生
Well-being 持続する幸せとSlow lifeな生活
国士舘大学理工学部工学科建築学系 位田ゼミナール3回生の学生

第三部 教員デザインレクチャー
デザイン系6校の先生からそれぞれが取り組むデザイン教育や今後の構想についてお話頂きました。

インテリアデザイン教育について
中央工学校OSAKA 学科長 戸澤まり子先生
滝川工業(株)エントランス・インテリアプロジェクト
神戸松陰女子学院大学 推教授 米原慶子先生
建築材料施工から学ぶデザイン教育
国士舘大学理工学部建築学系 講師 位田達哉先生
設計教育の現場 実務教育の間で。実務家教育として 教育に役立てる現場を設ける。
関西国際大学(神戸山手キャンパス)現代社会学部総合社会学科建築インテリアフィールド 教授 山隈直人先生
京都女子大学 家具コレクションの活用
京都女子大学家政学部生活造形学科 教授 片山勢津子先生
デザイン団体によるインテリアデザインエデュケーションメソッドの提供に向けての取り組み
九州女子大学人間生活学科/大手前短期大学 ライフデザイン総合学科 非常勤講師 酒井浩司先生

PART 2「ホスピタリティあふれるこれからのインテリア 」 15:30~17:30
 こちらのパートでは7名のパネリストから、ホスピタリティをテーマに、これからの素敵な暮らしや空間を演出するインテリア素材、ユーザーに対してのインテリア提案、健康を考えた空間づくりなど日本のインテリアの魅力を幅広い視点でお話し頂きました。

梶原 憲司様(Kenji Kajiwara) 
C-FOREST株式会社 代表取締役 / オーダーインテリア販売施工 / JID賛助会員
反甫まさひろ様(Masahiro Tanpo) 
造作の工務店「0556style 」/ 代表 / JID賛助会員
富田亙正様(Hiromasa Tomita)  
株式会社トミタ 代表取締役社長 / JID賛助会員
小槻敦也様(Atsuya Kotsuki)  
柏木工大阪ショールーム店長 / JID賛助会
水田恵子様(Keiko Mizuta)  
インテリアコーディネーター協会関西会長 / Office SPIRAL代表
尾田 恵様(Megumi Oda)  
一般社団法人 日本インテリア健康学協会(JIHSA)代表理事 / 株式会社 菜インテリアスタイリング代表取締役、JID会員
澤山 乃莉子様(Noriko Sawayama)  
BABIDインテリアデザインプロデューサー / 一般社団法人 キュレーションホテル協会 代表理事

オンラインセミナー「ニューノーマル時代を豊かに」

エリア長 小野和徳

 今年度のWIW2021の取り組みは、5月28日(金)賛助会員の「株式会社アダル」との共催で、オンラインセミナーを開催いたしました。
 当初は、工場の訪問見学も計画されていたのですが、コロナ禍を考慮し、ショウルームも含めオンラインによる紹介といたしました。
 「ニューノーマル時代を豊かに —安心して心地よく使える家具とはー」というテーマで、開発担当者の3人に講演をいただきました。
ウイルス感染対策の家具、スクリーンや縫製のステッチ、グラデーションに染めた畳表の製品、STONEとのコラボ商品等、内容は大変興味深く、1時間をオーバーする充実の講演内容でした。
 ワクチン接種も進んでおりますが、希望者を募り、リアル講演会・見学会が実行できるのは、もう少し先になるのでしょうか。
新型コロナの収束を願い、時期を見て実行したいと思います。

会員専用JIDnews

2021.09.20

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