JIDnews290号:令和3年・1月・2月・3月号

(発行日:2021.04.25)

JIDnews は、公益社団法人 日本インテリアデザイナー協会が発行する機関誌です。

編集

担当理事:小林秀徳
編  集  長:八十常充

編   集  :エリア担当
北・東日本エリア:櫻井良樹
中日本エリア:中島健視
西日本エリア:魚田 純
南日本エリア:小野和徳

WIW 2021 in JAPAN 開催のご案内

副理事長 池田和修

World Interiors Week 2021 in JAPAN(WIW)をJIDとJDPの共同で本年も開催致します。 このイベントは、インテリアデザイナーの国際組織で国連・ユネスコとも連携のあるIFI(国際インテリアアーキテクト/デザイナー団体連合)が先頭に立つ全世界同時開催のイベントです。

毎年5月の最終土曜日に世界中で開催する「World Interiors Day」をIFIも提唱している、インテリアデザインが社会、文化、私たちの暮らしと環境に果たす役割について、生活者の皆さまと共に考え積極的に理解を深めることを趣旨としています。

 国際的には5月29日をWorld Interiors Dayとして行いますが、日本では5月22日(土)~29日(土)を「World Interiors Week 2021 in JAPAN」として、東京ミッドタウン・デザインハブ及び各エリアでのオンラインイベントをウェブサイトから配信します。

 今年のIFI「World Interiors Day」世界共通テーマは、Design as a Global Conversation「グローバルなコミュニケーションとしてのデザイン」です。

日本でのテーマは、Well-being & Well Living「ウェルビーイングな暮らしを語ろう」を設定し、このパンデミックの中で目まぐるしく変化する暮らし方、その多様性、それらを実現する為のデザインやインテリアデザインが果たすべく役割について開催されます。

World Interiors Week 2021 in Japan(WIW)開催概要

1.事業名  「World Interiors Week 2021 in Japan」 (WIW) www.wiwjapan.org

2.主 催  公益社団法人日本インテリアデザイナー協会(JID) 代表者名:理事長 丹羽 浩之 www.jid.or.jp

      公益財団法人日本デザイン振興会(JDP) 代表者名:理事長 大井 篤  www.jidp.or.jp

 サポート:国際インテリアアーキテクト/ デザイナー団体連合 IFI https://ifiworld.org

      The International Federation of Interior Architects/Designers(IFI) 

3.開催期間 実施期間 2021年5月22日(土)から5月29日(土)まで

4.開催場所 ・JID本部 JDP/ONLINE ウェビナー (東京ミッド タウン・デザインハブを拠点)

      ・JID南日本・JID西日本・ID中日本・JID北東日本 各エリアを拠点としたオンラインイベント

      ・インテリアショップ、ショールームをつなぐネットワークイベント(オンライン)

5.開催テーマ IFI- WIDテーマ「Design as a Global Conversation」

      World Interiors Week 2021 in Japan(WIW) 「Well-being and Well Living」 「ウェルビーイングな暮らしを語ろう」

SDGs官民連携プラットフォーム会員登録のお知らせ

副理事長 小野上勝志

 SDGsとは、2015年9月の国連総会で国連加盟193カ国が採択した国際目標です。
 SDGsを日本では「持続可能な開発目標」や「持続可能な発展目標」とも訳され、17の目標と169のターゲットが設定されています。人類が地球に住み続け、繁栄をしていく為に、日本及び世界共通のテーマです。

 JIDはデザイン団体として初めて内閣府に申請し、官民連携プラットフォーム会員に登録されましたのでお知らせいたします。
*詳しくは会員ページをご覧下さい。

 JIDでは、本部が主導し各エリアでの活動や会員各自への意識の向上、更に賛助会員様との連携などあらゆる場面に於いてSDGsを意識した活動を通じ社会貢献に取り組むデザイナー協会を目指したいと考えていますので、皆様のご協力をよろしくお願い致します。

「JID AWARD 2021」公募受付を開始しました

委員長 米谷ひろし
委員(執筆者) 清水忠男

 「JID AWARD 2021」の募集要項は3月3日にWeb上で発表され、3月10日に応募受付を開始しました。応募締め切りは6月30日となっています。

 募集対象部門は例年通り、インテリアスペース部門、インテリアプロダクト部門、NEXTAGE部門の3部門。応募作品をWebによる予備審査及び同じくWebによる第一次審査を経て全体の約半分に絞り込み、7月15日の第二次審査会で検討し、インテリアスペース部門の現地審査対象作品、インテリアプロダクト部門とNEXTAGE部門の最終審査対象作品を確認します。

 インテリアスペース部門において現地審査を行うのは、他の空間系デザイン賞には見られないJID AWARD のみの方式で、審査委員が分担して行い報告書を作成。今回は9月25日までの間に実施されます。

 最終審査会は10月11日にゲスト審査委員(前回の大賞受賞者)を交えて、現地審査報告を基にしたインテリアスペース部門の審査、現物やパネルを見ながらのインテリアプロダクト部門とNEXTAGE部門の審査を行い、各賞を決定します。又、その結果はWeb上で発表します。

 受賞作品の展示は11月25日~30日。表彰式は11月27日に行う予定です。
コロナ禍の影響でスケジュール全体がややゆったりしたペースですが、無理なく実施したいものと考えています。

JID AWARD 2021 募集要項PDFはこちらからダウンロードできます。
https://jid-award.com/pdf/jid-award_2021.pdf

CCDO デザインアウォード審査会及び入賞者トーク会&表彰式

副エリア長 兼子春彦

 中部デザイン団体協議会(CCDO)は全国的には知名度の低い団体ですが、名古屋を中心に中部地方に於いて活動しているグラフィック、サイン、建築、工業デザインなどのデザイン関連12団体が集まり一つになってデザイン啓蒙活動から多種に亘る活動を展開している取り纏め役の集団です。
 我々もこちらに参加してJIDの存在を知ら占めるべく活動を展開しております。 
 今回は昨年の30周年記念で行われるはずのイベントを一年延ばしでの開催でした。

 3月20日と27日の2回に亘るイベントが行われました。私もJIDを代表して審査に加わりエントリー者から全13名の入賞者を選び、JIDからは平光無門さんが入賞されました。そこから更に審査を行いグランプリにJIDA川合さん、準グランプリにはCCC渡辺さん、特別賞にJAGDA三浦さんの3名を選出しました。

 各自10分の持ち時間でのプレゼンテーションを13名分真剣に聞いていたので正直結構疲れました。普段JID AWARDの審査をして頂いている方々のご苦労が実感されました。審査員の方々いつも有難う御座います!初日はそんな感想でした。

 そして日を改め翌週に13名の入賞者の作品展の開催の中、その開催場所であるデザインギャラリーにて、作品パネルを前にトーク会と表彰式が開催されました。  前回はプロジェクターでの映像を拝見したわけですが今回はリアルにパネルになったものを近くでじっくり見られ、より理解度が深まりました。リアルが一番ですね。

 5月の我々のイベントであるWIWでもCCDOにご協力いただきセミナー等のイベントをリアルでも開催いたしますので次に向かって協力体制が固まったと感じられるイベント参加でした。

ナゴヤイノベーターガレージにてエントリーの発表
審査員による入賞者選考
デザインギャラリーでの入賞者によるトーク
入賞者JID平光さんの作品説明
CDO安藤会長(左)、平光さん(右)の表彰状授与

JID中日本エリア学生賞2021

梶本 優

2021年1月〜2月にかけて、毎年行っている「JID中日本エリア学生賞2021」を名古屋各地のデザイン関係各大学(愛知工業大学、愛知淑徳大学、大同大学、名古屋造形大学、椙山女学園大学など)から応募があり、審査を行いました。
たくさんの応募をいただき、厳正な審査の結果、受賞学生を決定しました。
今年受賞されました学生賞の結果を一部掲載致しますので、活動を皆さんに知っていただけましたら幸いです。

「防災の新しい形」

近年、大型の台風やゲリラ豪雨などの短時間での局所的な豪雨が多発しており、それに伴って川の増水による堤防の決壊や川の氾濫などの水害が増加しています。こういった水害はこの先も増加していくとみられています。
 しかし、水害に対する意識や対策はなかなかこういった現状に追いつけておらず、遅れています。地域住民の中でもハザードマップを把握していたり、避難所の場所を把握している人は少なく、水害が想定されている地域の住民の意識もそこまで高くはありません。このままでは急な豪雨や増水によって水害が発生した時に、避難が遅れてしまい、甚大な被害になってしまうことが想定されます。
こういった現状を踏まえて、私は水害が起きた時に地域住民がわかりやすく、安全に避難できるような「避難路」を設計します。
しかし、ただ安全に避難できるものを作るだけでは住民たちの避難路のルートを把握することはできないのではないかと考え、日常的に避難路を活用できる設計にしました。「避難路」は市場やビニールハウス、あるいは作物の収穫のための作業のスペースなど、「避難路」が通る場所によって用途を変えます。
このように日常的に「避難路」を使うことで、住民は生活の一部にこの「避難路」を体感し、防災意識を生活の中で育むことができます。
  名古屋造形大学 建築・インテリアデザインコース
  出田 開( Mirai Ideta )さん

「Literature ⇄ Architecture」~小説「セーヌ川の書店主」のイメージ空間~

小説「セーヌ川の書店主」の中に登場する空間、建物を自分なりにイメージし建築化していく。 文学の中では言語だけを使用し実在しないイメージの世界観をあらわしている。 言語だけで表された空間や形は読み手によって自由度のある空間や形を思い起こさせるため、イメージする空間は人それぞれである。 小説内で空間について書かれた記述、キーワードを私なりに解釈し組み立て形にする。 また登場人物の性格分析をし内面を表すようなインテリア設計をしていく。

  愛知淑徳大学 創造表現学部 創造表現学科 建築・インテリアデザイン専攻
  梶田 麻衣( Mai Kajita )さん

「狭間建築」

一般的な駅はプラットホームとその上屋、線路、駅舎で構成されており、普遍的であり駅という概念が決まってしまっていることに疑問を呈し、提案しています。 商店街と駅が都市計画道路の整備事業により駅からの人の流れが分断された為、人の流れを取り戻し新たな流れを取り入れるように工夫しました。
3階建ての建物で1階は半屋外となっています。 交流スペースは傾斜地や高低差を活かすと同時に自然を取り込み人のたまり場と心地良さを重視しています。 2階はコンコースで電車の乗り継ぎ場と第二の交流空間です。 商店スペースを設け、食べ歩きや電車を間近で眺める事が出来ます。 3階は連絡通路とし、主に電車の乗り換え時に利用します。 コアワーキングスペースを設けています。
ただ乗り換える為の利用としてだけではなく、交流スペースや休憩スペースを設置することで電車が来るまでの時間を快適に過ごせるように計画しました。 また、勉強スペースを計画し、空き時間を有効に利用できるようにしました。 コアワーキングスペースでは、異なる職業や仕事を持った人たちが同じ場所をシェアすることで情報交換や協働などの相乗効果を期待しています。
インパクトのある外観デザインは、視線を遮りながら光と風を通す格子を用い、屋根を曲線とすることで時間によって表情が変わるように設計しています。

  トライデントデザイン専門学校 総合デザイン学科 インテリアデザインコース
  伊藤 弘晃( Hiroaki Ito )さん

「デザイン新常態4th&5th」シンポジウムを開催

理事 安藤眞代

1月30日(土)13:00〜17:00。デザインカンファレンス「デザイン新常態4th(第1部)・5th(第2部)」をオンラインで開催いたしました。 シンポジウムの様子は、会場ATC輸入住宅促進センター(IHPC)から、ZOOMウェビナーで配信し、241名と多くの方々に視聴参加いただきました。

暮らし方、働き方や生産活動などを社会全体で模索する事となり個人は勿論、企業や団体にも様々に求められる価値が変化する中、サスティナブル(持続可能な社会)を意識する事が身近となり、 新しい暮らしへの意識が高まっています。

第 1 部、 デザイン新常態4thは、USD-O(大阪デザイン団体連合)6団体代表(文末記載)のパネリストから「これからのデザインについて」をテーマに、この1年のコロナ渦のデザインを振り返りながらお話しいただきました。

会場でのパネリストの皆さま
右より:大森氏、中村氏、井ノ阪氏、岩尾氏、是枝氏
登壇の日本パーステック協会 岩尾理事

第 2 部、 デザイン新常態5thでは、第1部のテーマを受け、デザインリフレクション(再考)をテーマに、JID会員を中心に東京及びフランスからの参加者(文末記載)も加わって討議いたしました。

フランス、東京、各地をZOOMでつないで
登壇のJID 安藤理事

 4時間に及ぶ長時間の討議では、バラエティに飛んだゲストやメンバーから様々な視点でのデザインの考え方を聞く事が出来ました。
このカンファレンスが、視聴頂いた皆様とシェアが出来、未来のデザインへのヒントとなれば幸いです。

年内いっぱい、もしくは更に2、3年と、この様な状態が続くと言われている中、デザイン業界、又、一人のクリエーターとしても、幸せ産業のインテリアで皆様の暮らしを豊にできる模索を続けていければと思います。

□ 第1部ゲストパネリスト
・JPA 一般社団法人 日本パーステック協会 理事 岩尾美穂氏
・DSA 一般社団法人 日本空間デザイン協会 副会長 大森あき子氏
・JCD 一般社団法人 日本商環境デザイン協会 関西支部長 中村裕輔氏
・JID  公益社団法人日本インテリアデザイナー協会 西日本エリア長 井ノ阪智恵氏
・JIDA 公益社団法人 日本インダストリアルデザイン協会 ブロック長 是枝靖久氏
・SDA 公益社団法人 日本サインデザイン協会 関西地区 平野皇太郎氏 

・ファシリテーター:大阪デザイン団体連合USD-O会長 景山隆司氏(JID)

□ 第2部ゲストパネリスト
・小宮容一(監事) ・安藤眞代(理事)・安多茂一(国際委員)・冨田恵子(理事)
・飯田梨乃 フランス国立農業食糧・環境教育機関 Agrocampus Ouest出身.

・ファシリテーター:井ノ阪智恵、・酒井コウジ

Kids Design Work Shop を行ないました

副エリア長 金沢ちかこ

 3月27日(土)14時より、大阪市立住まいの情報センターとJID西日本エリアとのタイアップ事業としてコロナ禍の中でのリモートによるKids Design Work Shopを行いました。
テーマを「春休みにつくろう!“簡単にできるスマホを使ったわたしのあかり”」として募集し、参加者はZOOM入室22名と画面をオープンしていない方が数人でした。

 講師はJID会員3名が担当、1グループ5~7人で3グループに分けて子供たちと一緒につくりました。
先ず作り方のビデオを映しながら説明し、その後グループ毎に分かれて作品つくりを行いました。
 スタートから45分間の制作時間でしたが、ひとり一人に声を掛けて臨場感を味わってもらいながら進められたと思います。作品は自分の好きな絵を描いてもらいました。

 パソコンを通じて見ていると子供たちの表情が良くわかり、子供たちに合わせたアドバイスは対面の時よりもやり易く良かったと思いました。
男の子はダイナミックに紙一面に絵を描き、女の子は動物を描く子が多く個性がとても出ていました。
 完成時には周囲の明かりを消し、各自のあかりを点灯すると照明として出来上がり、作品も想像していた以上の出来栄えに驚きの声があがりました。

 例年は対面でのワークショップが主で子ども達と一緒につくる事が前提のイベントだったのでリモートではどのように伝わるかを心配しましたが、始まるとみんながとても楽しんでいるのがとても伝わってきました。
 今回はZOOMを使ったリモートでしたが子供達はとても慣れていて時代の違いを感じました。
これからもこの様な形式でのワークショップは増える事と思います。
今回の経験から今後のイベントの姿が見えた様に思いました。

〇アンケートの結果
[参加の理由]
・楽しそうなイベントと思って参加した
・春休みに人混みを避けて出来るから
・ZOOMのイベントに興味があった
・工作が好き
・オンラインでのチャレンジは始めてなので、良い経験になるかな・・・

[参加の感想]
・描いた絵があかりになった時!
・簡単に出来た・・・
・ZOOMでも子供と先生、他の参加者とのコミュニケーションが出来た
・他の人のイラストも見る事が出来て良かった

グループ① 絵をおわりみんなで共有
女の子の作品は動物が多く、男の子は自分が自然の中にいている絵を描いています。
グループ② 絵をおわりみんなで共有
グループ③ 絵をおわりみんなで共有
グループ① 完成作品①
みんなで記念撮影

第16回学生インテリアデザインコンテスト開催

公益事業委員長 荒川政勝

福岡近県の大学、専門学校の学生を対象にした「学生インテリアデザインコンテスト」を令和3年2月20日~23日の4日間に福岡市東区にある「なみきスクエア」で開催いたしました。

 今回で16回目を数えるこのコンテストはインテリアデザインを志す学生にとって、自分のデザインした作品を多くの方に見て頂ける有意義な機会となっており、今年は家具や照明など36点作品のエントリーがありました。 

展示会の様子

 開催初日の2月20日に審査を行いました。例年であれば、学生ひとり一人が自分の作品についてプレゼンテーションを行い、審査員からの質疑や意見などを聞くかたちで行うのですが、今年はコロナ禍と言う事で、三密を避け、安全にこのコンテストを行えるよう、展示された作品と作品を紹介したパネルのみで審査を行いました。

審査の結果、佐賀県立産業技術学院木工デザイン科の板川真大さんの「あさがけ」が最優秀賞を受賞しました。

最優秀賞受賞作品「あさかけ」

また開催期間中、展示作品をご覧いただいた一般の方の投票によって選ばれる、なみきスクエア賞(市民賞)を日田共同高等職業訓練校住宅施工科木工コースの長尾善光さんの「Ei」が受賞しました。

なみきスクエア賞受賞作品「E i」

 開催期間中には「JID AWARD 2020」の受賞作品のパネル展示やJID AWARD 2020で部門賞を受賞されたフィールドフォー・デザインオフィス元代表の志村美治さんと株式会社マルホン福岡ショールームリーダー大山優さんによる受賞作品「もうひとつの森MARUHON FUKUOKA」についての講演会を行いました。
 当日は会場に参加出来ない学生の皆さんにも聞いていただけるようリモートで行いました。

講演会の様子

また、木育スポーツや木の工作教室などのワークショップも行い充実したイベントとなりました。

会員専用ページ

2021.04.25

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