初めてサハラ砂漠を訪れ、限りなく透明なブルーの空と優美なベージュの風紋だけの世界に息を飲み、ただただ圧倒されて立ち尽くしていた日から40年以上の歳月が過ぎて行きました。
その後、サハラ砂漠に何度かおもむき、砂漠の自然とそこで生きる人々をテーマに『LIVE in DESERT』シリーズを制作してまいりました。
訪れるたび、神の恵みに畏敬の念を感じて手を合わせ、同時にその過酷な自然に畏怖し、そこで生活を営む人々にとって何が彼らをそこに留まらせているのかを考え続けた日々。
自然、環境、文化、人々の生活は少しずつ変化していますが、自然の厳しさを受け入れ、文明に侵されることなく自然と共に生きている民に人間の生き方の原点を垣間見、その素晴らしさに魅了されてしまったのです。
5月1日から12日まで国立新美術館3F-Bで行いました『LIVE in DESERT』OTSUKI KEIKO展には多くの方が何度もご来場下さり、深い関心をもってご高覧頂き、砂漠や砂漠に生きる人々、作品の素材、技法などのご質問とともに、今まで全く知らなかった砂漠や砂漠に生きる人々の生き方を知ることができ、自分の恵まれた生活に感謝しもっと自然や資源の大切さに関心を持って暮らしたいとのご意見を頂きました。
今後も自然と共存する民の心を映した制作を続け、自然環境の大切さを広めることができればと思っております。
左:『トアレグ族が砂漠をかけ抜ける』 中央:『太陽の恵と灼熱の地獄は諸刃の剣』
右:『祈りの声が砂漠を渡る風に乗って』 手前:『ブッシュの根からしたたる水で命をつなぐ』
壁:『透明な空とオアシスに安らぎを求め』
手前:『砂漠に生きる民の時間を刻む風紋』
撮影:竹見良二
デザイン:大槻圭子
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