IFI総会・クアラルンプール2014
MIID (Malaysian Institute of Interior Designers) 主催で、5月3、4日の2日間、IFIの創立50周年記念総会がクアラルンプールで開催され、JIDからは、代表派遣として国際委員長 橋本修と前国際担当理事 小野由記子が出席いたしました。
昨年、トルコ総会が急遽中止となり、替わってMIIDマレーシアインテリアデザイン協会が引き受けて本総会を運営されました。
総会前の5月1、2日「REKACREATE」デザインカンファレンスも開催されました。
IFI総会では理事長ShashiCaan氏の報告に対し、各国からの質疑、意見が活発に飛び交い、不明瞭な報告は見逃されず、世界を4つの地域に分けて運営するという構想(SPC)などには、反対意見も多く出されました。
IFIメンバー構成は一時、創設メンバーである北欧諸国が脱退し、アジアの新参メンバーが目立つ時期もありましたが、その後イギリス、アメリカ、ドイツなどが加わり現在、バランスの良い構成となっています。
特に新ボードメンバー(2014~2015)は5大陸が揃い、キャリア豊富な人物が連なったため、今後のIFI運営に変化、推進の期待が持てるようです。
前理事長Shashi Caan氏の強い個性と意志による改革路線が、今後どう引き継がれるのか、継がれないのか、注目されるところです。
日本から再びIFIボードメンバーが選出!
今回、JIDから橋本国際委員長がIFIボード(理事)に立候補し、5月2日に全候補者が表明を行った中でも、橋本氏のスピーチは際立ち多くの票を得て当選する事ができました。
2013年に国際委員会が企画し、全エリア協力運営の下にJIDは「IFIインテリアデザイン国際フォーラム2013」を開催し、IFIボードミーティング、IFIインテリア宣言を3都市で運営しました。その目的の第一は、IFIに対してJIDの存在感をアピールし、IFI運営にコミットしてゆく姿勢を見せることでしたから今回のIFIボードメンバーへの参画には、達成感があります。橋本委員長の今後の活動に期待が持たれます。
喜多俊之理事長、中川帛子名誉会員がIFIフェローシップ受賞!
今回、IFI創立50周年記念事業の一つとして、IFI総会の前夜に催されたgalaパーティに於いて、IFIの運営に貢献された元理事長、理事、またインテリアデザイン業界に多大な貢献をされた方々に「IFIフェローシップ」の表彰がありました。
日本からは喜多俊之氏の世界的なデザイン活動に敬意を表し、また中川帛子氏には長年にわたるIFIへの貢献に敬意を表し、この名誉を受賞されました。
お二人の受賞は、JID及び日本のデザイン界にとっても誇りです。
誠におめでとうございます。
喜多俊之理事長
中川帛子名誉会員
今回の称号授与は私個人への評価というより、JIDが1978年にIFIに加盟以来36年間、国際活動を重視し、IFIへの積極的な関わりを維持し、支援をしてきた事への評価と考えております。
名誉会員 中川帛子談
JIDは名実とも国際的なデザイン協会で在ることを期待されていると 再認識できたIFI総会でした。
記:前国際担当理事 小野 由記子
IFI総会報告
5月2日
夕方からのGalaパーティーで、IFIへの貢献や業界への貢献者10数人にIFIフェローシップの表彰があり、日本はJID喜多俊之氏と中川帛子氏が賞状とメダルを授与されました。
5月3日 本会議 8:30~18:00
1.IDAに関する報告。3団体からなるIDAの内紛により、比較的中立的な立場を取っていたIFIはその影響を受けており、カナダの事務所の維持が難しい事になったとの説明。
2.ニューヨークで国連との連動を模索している。
3.経理報告
4.IFISPC (IFI Strategic Planning Committee 元理事を中心としたメンバーによる委員会。理事会をサポートする目的) からのレポートで新たな組織形態、Regional Modelの説明があり、このモデルに向けて引き続き討論を進める事で議決が取られた。
5.メンバーシップの会費の件で会費を上げるか下げるべきかの討論あり。
しかし、結論には至らなかった。今後討論を続ける事で決まった。
6.『インテリアの日 』のテーマについての提案募集。『design for all』で決定された。
7.IFIの各プログラムの報告
•インテリアデザイン宣言
•113の都市から協賛
•世界インテリアの日World Interior Day
•教育、デザインコンペ等の報告
8.新理事長の任命と承諾。英国のIris Dunbar氏に決定
9.新理事立候補者のプレゼンテーション
10.2014~2015の予算の承認
11.2015年10月18−23日に韓国光州 Gwangyuで開催のデザインコングレス説明『Beyond the IDA』
5月4日 本会議 9:00~
1.IFIの新理事の投票。今回JIDは理事への立候補の意思表示をし、投票の結果橋本修氏が理事に選出されました。任期は2014~2015。
*以下は立候補者演説に於いて、JID橋本修のスピーチです。
私はJID及び日本のデザイナーを代表してIFIのボードメンバーに立候補した橋本です。
1)アジア初の正会員として長年、IFI活動に参画してきたJIDです。
今後、さらに積極的にIFIの国際的活動に関与する事はJID理事会の方針です。
2)私はアメリカで30年間インテリアデザイナーとして活動してきた実績を元に、インターナショナルな活動に参加し、少しでもインテリア業界に貢献したいと思い、今回の立候補を決断した。又次の若い後継者の養成と支援を積極的に行いたいと考えている。
3)現状の世界状況を鑑みて、「インテリアデザイン」という一つのテーマをもって、世界の人たちとつながり協調してコミュニケーションを取り合う必要性を今まで以上に感じるようになった。
任期中に何が出来るか未知数ではあるが、少なくとも次の世代に何か残せる様な仕事をしたいと思っている。是非とも、私に一票を入れて下さい。有り難うございました。
新役員紹介(任期2014~2015)
理事長
•Iris Dunbar BIID 英国インテリアデザイン協会 新任
理事
•Hyunie Cho KOSID 韓国インテリアデザイナー協会
•Osamu Hashimoto JID 日本インテリアデザイナー協会 新任
•Trevor Kruse IDC カナダインテリアデザイナー協会 新任
•Sylvia Leydecker BDIA ドイツインテリアアーキテクト協会 新任
•Roberto Lucena CODDI プエルトリコインテリアデザイナー協会 新任
•Titi Oguefere IDAN ナイジェリアインテリアデザイナー協会
•Gary Wheeler ASID アメリカンインテリアデザイナー協会 新任
•Sebastino Renari AIPI イタリアインテリアデザイナー協会 新任
2.IFI Wing(デザインコンペ)の学生優勝者の発表
3.前任理事長の退任の挨拶
4.新理事の発表
5.閉会の挨拶
以上
*総会後に新任理事によるボードミーティングが開かれました。
•カナダのモントリオールで2017年にIFIのコングレスと総会のスポンサーとして資金を提供する旨の申し込みがあった。
•5月4日午後に急遽、新理事による会議があり、5月5日の午前中も会議があるとの事であるが、JIDとカナダの理事は既にスケジュールがあり不参加とした。
•理事会の内容は機密非公開の書類に合意を要請されている為に開示出来ない事になっているが、条件を良く読んだ後で出来る範囲内で報告したいと考えている。
*コメント
•本会議の話ではIDAとは決別しており、モントリオールからもニューヨークへ拠点を動かしている様である。又過去モントリオールからは家賃を含んだ37,000ドルがIFIに毎年支払われているが、今後はその支援は無くなると考えられる。
•新たな組織改革が今回のボードメンバーに課せられた一番の責務と考えて良いと思われる。世界を時間ごとの区域に分けてそれぞれの区域で管理を行い、その代表が集まって組織を運営するという構想ではあるが、現実的には色々な課題が山積みになっている。
•又、一律1000ドルという会費が良いのかという、発言もあったが、この件も今後の課題の一つと考えられる。
•経理に関しても、今回の内容は不完全であり再度提出するという事であった。
•個人的に感じたのは長期に渡った、シャシカーンによるIFI運営から、いかに新しい理事会へ移管するかはかなり大きなハードルがあると思われる。
今回、理事に加わった、カナダ、ドイツ、アメリカ、英国の後援組織にはかなりの力があると思われるので、今後の動きを見て行きたい。
記:国際委員長 橋本修
業務部
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