The Japan Interior Architects / Designer's Association
Monthly Report
No.261 Jul, Aug, Sept, 2013
 

今年で第2回目となる瀬戸内国際芸術祭は春会期3/20~4/21、夏会期7/20~9/1を終え、そして今は秋会期10/5~11/4が始まったばかりです。

潮騒の音が高らかになってきた瀬戸内の海を定期フェリーや臨時フェリー、そして観光チャーター船が忙しく往きかうようになりました。

瀬戸内国際芸術祭は地中美術館で有名な直島を中心に12の島と2つの港がこのアートフェスティバルの会場となっています。それぞれに楽しみ方はありますが、私はやはり建築作品が一番です。今回新しく完成したANDO MUSEUM、犬島の妹島和世さんの家プロジェクト、小豆島の福田地区での西沢立衛さんの幾つかの試み等、トレンディな建築家の絡んだ作品を近くにいて見ることができて幸せです。


さて、私の関係している女木島もこの芸術祭の島の一つです。夏は鬼の洞窟や、美しい海水浴場で賑わっています。この島で私は四年前から「ビーチアパート」という名称のレンタルハウスをつくっていろいろな試みをしています。

今年芸術祭に合わせて春会期に、子供たちも参加のワークショップで「ツリーハウス」を作りました。夏会期と秋会期はツリーハウスの管理も兼ねてレストランを開いています。

 

ツリーハウスは大人にも大変人気でみんな普通に上ってくれます。(たまに、芸術作品と間違えてる人もいるのですが、黙ってることにしています)

ビーチアパートの立地は環境が良いのとレトロな雰囲気が以前から評判になっていたのですが、「レストラン」にしたことで中に入れて感激という人が多いです。

この家は漫画家ひうらさとるさんの「うらら」の舞台にもなっているので、わざわざ訪ねてくれた人もいました。


女木島は高松港から一番近い島で交通の便は良いのですが、話題性のあるアート作品が無いことや作品数が少ないのが残念な点です。そんな話を訪れた方とするのですが都会の人は一様に「女木島は思っていた島のイメージにピッタリです」と言ってくれます。

今もフランス人のカップルが縁側に腰かけて何することもなく海を見ています。


島独特のアナログな雰囲気が今はかえって新鮮に受け止められる時代になったのかもしれませんね。

これまでは「何もないところだから」とか「田舎だし・・・」とかマイナーな言葉でしか語れなかった地元のことを考え直すきっかけともなった瀬戸内国際芸術祭です。

アートって素晴らしい! 人の気持ちを変える力を感じています・・・

女木島でお待ちしてまーす。

 
瀬戸内国際芸術祭 “女木島からの発信”
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