The Japan Interior Designers Association
Monthly Report
No.258   Oct, Nov, Dec, 2012
 
この本の中で、先のヨーロッパデザインツアーで見たイタリアの質の高いライフスタイルデザインをもっと見てみたい、彼らの生活実態に触れたいとの思いで1969年に2度目のイタリア訪問を決意、この滞在をきっかけにイタリアで仕事を始めることになる。仕事をするに当たっての言葉の問題や多くの有名なデザイナーとの交流に繋がる裏話しなどが次つぎとごく自然なかたちで書かれている。


イタリア人の生活が日常的にホームパーティを開いて友人を招き、暮らしをエンジョイしている様子は大変魅力的であった。

これらはインテリア雑誌などメディアの存在が大きな役割を果たしていることやミラノサローネを中心に家具メーカーのデザインを経営の軸とした考え方が受け入れられて世界をリードする現在の状況を作り上げた。

また、インテリアと暮らしのハウツー雑誌などに影響された主婦たちが素敵なインテリアを楽しむようになってセンスアップされ、自分の思い、豊かさ、そして生き方そのものが詰まった家をつくり、人を呼べるようなサロンを持ちインテリアを自慢する。このような暮らしこそが心の豊かさの象徴であると再認識する。


イタリアデザインの牽引に大きな役割を果たした、マリオ・ベリーニ、エットーレ・ソットサス、ヴィコ・マジストレッティ、ブルーノ・ムナーリ、アキッレ・カスティリオーニ、アントニオ・チッテリオなどとの思い出の数々やカッシーナ社の<ウインクチェア>やモローゾ社の<サルヤマ>誕生のお話も興味深い。


納戸化している日本の暮らしの環境は何故改善されないのだろうか?・・・

中国や韓国、シンガポールなどアジア諸国の暮らしが大きく改善されている。


さらに、本文で「暮らし」そのものの活性化は、日本のインテリア産業を元気にして大きな内需の拡大を生む。人を招くことでインテリアの質や生活文化、そして人と人とのコミュニケーションがはぐくまれ、しいては関連産業にも大きく貢献するだろう・・・と提案する。


みなさんにも是非一読をお奨めします。


推薦者:八十 常充




「喜多俊之 デザインの探険1969- 僕がイタリアへ行った理由」
喜多俊之 著

出版/株式会社 学芸出版社
四六判・192頁・定価 1800円+税
ISBN978-4-7615-1313-9

 
『喜多俊之 デザインの探検』1969~
僕がイタリアに行った理由
258-14.html
前のページ
258-14.html
Book 紹介
CONTENTS
メンバーシップ総務組織
暮らしデザイン事業 国際交流
北・東日本エリア1
北・東日本エリア2
北・東日本エリア3
中日本エリア1
中日本エリア2
中日本エリア3
西日本エリア1
西日本エリア2
西日本エリア3 
南日本エリア1
インテリアトレンド1
インテリアトレンド2
BOOK紹介
JIDnews_258.html258-02.html258-03.html258-04.html258-05.html258-06.html258-07.html258-08.html258-09.html258-10.html258-11.html258-12.html258-13.html258-14.htmlshapeimage_12_link_0shapeimage_12_link_1shapeimage_12_link_2shapeimage_12_link_3shapeimage_12_link_4shapeimage_12_link_5shapeimage_12_link_6shapeimage_12_link_7shapeimage_12_link_8shapeimage_12_link_9shapeimage_12_link_10shapeimage_12_link_11shapeimage_12_link_12shapeimage_12_link_13shapeimage_12_link_14