九月中旬に小さな新聞記事が目に止まった。それは人類初の月面着陸に成功したアメリカの宇宙船のNAアームストロング船長が亡くなった訃報であった。この新聞が半世紀前を思い出すきっかけになった。1969年7月20日に月に向かってケープケネディから三人を乗せた有人宇宙船アポロ11号が打ち上げられた。その時私はロスに住んでいて、アパートに友人達が集まりビールを片手にTVを見ながら月面を歩く二人の宇宙飛行士の成功に歓声をあげたことが鮮明に蘇ってきた。

実はこの思い出には尾ひれが付く。昨年7月約一ヶ月ローマに滞在していたが、知り合いから面白いモノ？をあげるといわれA-4の罫線が引かれた申請書のような英文のコピーを手渡された。友人の説明によるとなんとこの一枚の紙片が、43年前の三人の宇宙飛行士が地球に無事帰還しホノルル空港の入国管理局に提出したサイン入りの「奇妙な入国書類（7月23日の日付）」であった。月から帰って来ても再入国の手続きの奇異さとあいまって国際法の厳正な存在を知った。

アームストロングが亡き今、このドキュメントを額に入れ故人の偉業を偲びたいと思う。

ちなみにCARGOの欄にはMOON ROCK AND MOON DUSTとタイプされている。